【マーケティング入門】アカウントベースドマーケティング(ABM)とは?

テクノロジーの進歩により注目されるようになった「アカウントベースドマーケティング(ABM)」。外資系の企業を中心に導入が進んでおり、今後少しずつ日本にも浸透していくと考えられます。そこで今回は、「アカウントベースドマーケティング(ABM)」について解説します。
Contents
アカウントベースドマーケティングとは?
「アカウントベースドマーケティング(ABM)」とは、ポテンシャルの高い優良顧客をターゲットとし、そのターゲットを攻略すべく営業リソースを集中させ、顧客の関心を引きつけようとするマーケティング手法です。
注目されるようになった背景
MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)のようなツールが企業に導入されることで、情報を一元管理できるようになりました。この情報の集約化により戦略的なマーケティングも可能になったため、ABMが注目されるようになりました。
『売上の8割は全顧客の2割が生み出している』という「パレートの法則」を聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、このパレートの法則に基づき、限られた顧客(上位2割)にリソースを集中させ、パーソナライズしたキャンペーンを展開することもABMの1つの例として挙げられます。
※MAにつきましては下記の記事で詳しく解説しております。こちらも合わせてご覧ください。
アカウントベースドマーケティングのメリットとは?
ABMには、下記のようなメリットがあると言われています。
リードの追跡や効果測定がしやすい
絞り込んだ少数顧客をターゲットにしているため、キャンペーンの効果を分析する際に、明確な結論を導き出すことができます。
そして分析の結果を基にPDCAを回すことで、より精度の高いマーケティング施策へとつながります。
リソースの無駄が減る
絞り込んだ顧客に対して人材やお金などのリソースを集中させることで、顧客に合わせた最適のマーケティングを行うことができます。
幅広い顧客に対しアプローチするときよりも無駄な施策を減らすことができるので、リソースの無駄も減らすことが可能です。
営業と連携しやすくなる
ABMでは顧客志向に基づいたマーケティング施策を行うことになるため、同じ顧客志向である営業との連携がしやすくなります。営業と密接に連携することで、営業プロセスを通じての対象企業への効果的なアプローチが可能になります。
アカウントベースドマーケティングの手順
ABMは、一般的に下記の手順に沿って行われます。
【顧客選定】
アプローチする顧客のリストアップ
手に入る限りの企業データや、データの分析結果を活用しながら顧客の優先順位を付け、ターゲットとなる顧客を洗い出します。優先順位を付ける際の判断基準としては、取引金額の大きさだけでなく、市場での影響度、リピーターになる可能性など多くの戦略的要因が考えられます。
コンタクトポイントの有無の確認・創出
対象企業の意思決定者とのコンタクトポイントの有無を確認します。もしコンタクトポイントがない場合は、新しくコンタクトポイントをつくる必要があります。例えば、展示会での名刺獲得、コールドコールという一般的な方法や、バナー配信、Facebook広告といったオンラインでの施策を組み合わせた方法が考えられます。
組織内で重要な役割を担っている人物の特定
対象企業を選んだら、組織内で重要な役割を担う人物を特定します。ここでいう重要な役割を担う人物とは、意思決定者やインフルエンサーなどを指します。その人物との接点がない場合は、営業チームでの調査や、社外の専門業者からの情報購入を検討する必要があります。
【手段選定】
コンテンツとパーソナライズメッセージの決定
前の手順で特定した人物にとって価値のあるコンテンツやメッセージを考えます。対象顧客が直面する課題を解決するような価値のあるコンテンツ、サービスの提供を行うことで、意思決定者やインフルエンサーの関心を引きつけることを目指します。
最適なチャネルの決定
Web、Eメール、モバイル、紙媒体など様々なチャネルの中から、どのチャネルでコンタクトを取るかを決めます。より多くのチャネルで顧客と繋がりたいと考えがちですが、顧客の属する業界や、その人の果たす役割によって効果を発揮するチャネルは異なります。
意思決定者やインフルエンサーがよく見る・使うチャネルでアプローチするようにしましょう。
【実施/測定/改善】
ターゲットに合わせて調整したキャンペーンを実施する
対象顧客の意思決定者やインフルエンサーに見てもらうため、Webのパーソナライゼーションソリューション機能、Google、LinkedIn、Facebook等のバナー広告を使って施策を実行します。キャンペーンがチャネル間で連動するようにし、一貫したメッセージが伝わるようにしましょう。また、営業チームと緊密に連携して、一貫したメッセージを用いて適切なタイミングにキャンペーンのフォローアップを行います。
測定し、学び、最適化を行う
キャンペーンをテストし、測定し、最適化していきます。対象企業との関係性は強化されているか、価値の高い顧客へのアプローチができているか、といった点に着目して評価・測定を行います。ここでは個々のキャンペーンの成果よりも、一連のキャンペーンによってどのような成果が挙げられたのかを確認してみましょう。
そして評価・測定して明らかになった結果を基に、PDCAサイクルを回し、時間をかけてマーケティング施策を改善していきます。
まとめ -ABMで効率的なマーケティングを-
今回は、「アカウントベースドマーケティング(ABM)」についてご紹介しました。
ABMを導入する際にはマーケティング部門と営業部門の連携が必要となりますが、ABMを実行できればより効率的なマーケティングを行えるようになります。
少ないリソースでより高い成果を挙げたいという企業は、本記事を参考に導入を検討してみてはいかがでしょうか?
引用
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