リレーションシップマーケティングとは?事例と共にご紹介します
「リレーションシップマーケティング」という言葉を聞いたことはありますか?
リレーションシップとは、関係性、関連、結びつきという意味ですが、具体的にどういったマーケティング手法なのかご存じでない方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、リレーションシップマーケティングとは何か、その成功事例について解説、ご紹介します。
Contents
リレーションシップマーケティングとは?
リレーションシップマーケティング(英: Relationship Marketing)とは、長期に渡って顧客と良好な関係・取引を継続し、企業の利益を最大化することを目的としたマーケティング手法です。
「ワン・トゥ・ワンマーケティング」とも言い、お客さまからの一時的な売上を積み重ねるのではなく、製品・サービスに満足した顧客からの継続的な取引を通じて、顧客満足を超えた「顧客の強いロイヤリティ」を創ることでリピーターへと育成していくことを指します。
リレーションシップマーケティングの考え方の背景には、「顧客のうち上位20%の優良顧客が全体の売上げの80%をもたらす」というパレートの法則に裏打ちされた経験則があります。
市場内の何人の顧客に買ってもらうかということよりも、「一人の顧客に何回買ってもらうか」を重要視しており、企業は顧客との長期的なパートナーシップを通じて顧客のニーズを分析・特定し、それを満たすようにカスタマイズされた製品とサービスの開発、メンテナンス、アップデートを行っていきます。
リレーションシップマーケティングの成功事例
ディズニー
顧客最優先を実践している事例としてよく話題になるのが「ウォルト・ディズニー」です。東京ディズニーランドではかなりのリピーター率を誇っているようで、実に90%を超えています。
ディズニーグループでは、具体的なリレーションシップマーケティングとして、「顧客」という言葉を一切使っておらず、「ゲスト」と呼んでいます。
「ゲスト」という言葉を、大文字の「G」ではなく小文字の「g」を使って書いた従業員を、ウォルトが厳しく叱責したという逸話があります。
それは、お客さま一人一人を大文字の「G」で始まる「ゲスト」として、最高のおもてなしを提供するという意味が込められており、単なる店舗と顧客ではなく「ホストとゲスト」のリレーションシップを築いているというわけです。
ザ・リッツ・カールトン
一泊242万円のスイートルームがあるホテルブランド「ザ・リッツ・カールトン」。世界各国に展開されており、国内でも大阪、東京、沖縄、京都の4箇所に店舗を構えています。
大阪にあるリッツ・カールトンの宿泊客のリピーター率は50%だそうで、訪れた人の2人に1人が再度利用しているようです。
リッツ・カールトンでは、IT技術を利用することによって、顧客に個別化されたサービスを提供し、リレーションシップマーケティングを行っています。
顧客が自らリクエストや要望を出さなくても、リッツ・カールトン側が顧客の潜在的なニーズを探り、創意工夫を持って具体的なサービスを提供。すなわち「かゆいところに手が届く」といったおもてなしで、顧客のリピーター率を上げています。
具体的なエピソードとしては、東京在住のとある顧客が大阪のリッツ・カールトンに泊まったとき、腕時計を忘れて置いてきてしまったそうです。そのことをホテルに連絡すると「お送りします」と言われ、配達便か何かで来るのかと思っていたら、その時お世話になったホテルマンの方がわざわざ東京まで届けに来てくれたようです。
おもてなしの最高峰とも言えるほどのホスピタリティを誇るこの対応。ここまでされたら「また行きたい」と思いますよね。
ZOZOTOWN
有名ブランドから新進気鋭のブランド、ショップまで、日本のファッションブランドを幅広く取り扱うスタートトゥデイ社の「ZOZOTOWN」。
2010年にリレーションシップマーケティングを導入した結果、半年間に60種類のキャンペーンシナリオにより、コンバージョンレート(CVR)を10倍に引き上げることに成功しました。
シナリオ設定にあたり、アクセスログや購入履歴、好みなど、個々の顧客に関する情報を多角的に取得しているZOZOTOWN。例えば、靴を購入した顧客には靴に合うアイテムの推奨やお手入れの方法を紹介したり、ギフト商品の購入客にはラッピング方法を情報提供したり、取得した情報を多様なキャンペーンの中で活用することで、顧客からのレスポンス率とロイヤルティの向上を実現しています。
同社では、日々蓄積される情報の分析を通じて、リレーションシップマーケティングを継続的に向上させており、2013年時点では日々130種類以上のパーソナライズメールを配信するに至っているようです。
Amazon
1995年創業の米アマゾン・ドット・コム社が世界13カ国で運営する世界最大級のインターネット通販サイトのAmazon。
Amazonでは、購入履歴に応じて、顧客に適した商品をおすすめしてくれます。誰にでも同じ情報を一方的に流すのではなく、顧客一人一人に合わせた情報を提供しています。
こういった意味では、閲覧履歴や検索履歴を参照し最適なものを提供するGoogleアドセンスやYoutubeもリレーションシップマーケティングと言えます。
まとめ
いかがでしたか。今回は、リレーションシップマーケティングについて解説と、成功事例についてご紹介しました。このマーケティング手法を取り入れている企業はどこも、誰もが知っているであろう有名企業ばかりでしたね。今回紹介した成功事例を参考に、リレーションシップマーケティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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