2023.12.2

クリエイターエコノミーとは?

クリエイターエコノミーとは?

クリエイターエコノミーとは

クリエイターエコノミーとは、これまでは消費者として経済活動に参加していた個人が、インスタグラマーやYouTuberのような、発信や販売側になれる双方向の経済圏を指します。

近年、YouTuberを中心としたインフルエンサーの収益活動が活性化されており、SignalFire社の調査によると、世界でクリエイターとして活動している約5,000万人のうち、専業としてクリエイターの活動を行い生計を立てられている人は200万人以上ると存在すると推測されています。

クリエイターエコノミーの市場規模 

新型コロナウイルスの影響により、オンライン消費が増加し、NeoReach Social Intelligence APIとInfluencer Marketing Hubの共同調査によると、2021年時点でクリエイターエコノミーの市場規模は世界で約1,042 億ドルまで急速に拡大しています。

また、日本では、2021年にクリエイターが活動しやすい社会環境をつくるため、noteやUUUMなどの会社が中心となり「クリエイターエコノミー協会」が設立されており、クリエイターエコノミーの市場規模は、さらに拡大すると言われています。

クリエイターエコノミーが注目されている理由

noteやYouTubeのプラットフォームの登場により、これまで消費者として経済活動に参加していた方でも、クリエイターや生産者・販売者に気軽になることができ、双方向の経済活動が活発になったことがクリエイターエコノミー拡大の要因です。

また前述しましたが、新型コロナウイルスの影響によりステイホーム期間が長引くことになったため、自宅でも楽しめる動画や音楽などのオンライン消費が増加し、クリエイターエコノミー自体の市場規模が大きく成長していることも注目を集めている要因です。

NFT・メタバース・Web3.0などの新しいWebに関する概念や技術との関連性

NFTとクリエイターエコノミーの関連性

これまでクリエイターが作成するコンテンツに興味がある消費者がサービスを購入していましたが、NFTの登場により消費者が金銭的なリターンを目的とし、クリエイターに投資をする新しいモデルが生まれました。

実際にYearly NFT Market Report Free/Pro · 2021によると、NFTの平均保有日数に関して、2020年には156日でしたが、2021年には48日まで減少しており、クリエイターの支援よりも投機目的でNFTを保有するユーザーが増加しています。

メタバースとクリエイターエコノミーの関連性

メタバースとは、インターネット上の仮想空間に作られた世界を表す造語で、アバターを介して、音楽イベントに参加できるなど様々な非日常を体験をすることが可能です。

一般的なオンラインゲームでは、換金目的のプレーヤーの参入を防ぐため、アイテムや通貨をプレーヤーが現金化することを規約によって禁じられていますが、メタバースの場合、参加者が自らコンテンツを開発・提供するため、参加者がクリエイターとして収益化を図るケースが期待できます。

例えば、Robloxでは、200万人を超えるクリエイターが手軽にゲームを開発できるよう開発ツールを無償で整備・公開しており、開発されたゲームの利用状況に応じて、クリエイターに収益が発生するように仕組みが整えられています。

web3とクリエイターエコノミーの関連性

Web3とは、非中央集権化・分散化を表す造語で、クリエイターエコノミーの文脈では、クリエイター自身が保有するファンコミュニティに対して、複数のビジネスを展開することで、これまで活動に使用してきたプラットフォームに依存せず、個別の経済圏を勝ちとることを指します。

実際に日本では、人気YouTuberの鴨頭さんが、カモファンディングというクラウドファンディングサイトを運営しているなど、自身の保有するファンコミュニティに対し、新しいビジネスを展開し、独自の経済圏を構築する動きがあります。

クリエイターエコノミーを形成する3つの要素

メディアプラットフォーム

メディアプラットフォームとは、InstagramやYouTube、TikTokなどの配信コンテンツを作成するための機能を内包したサービスのことを指します。

2005年に動画配信プラットフォームのYouTubeが登場し、スマートフォンの普及によって、2010年からはInstagramやSnapchatなどの写真共有アプリという新しいメディアプラットフォームが続々と登場しています。

現在多くのクリエイターがメディアプラットフォーム内で生計を立てていますが、アルゴリズムの変更など、プラットフォーム側の事情によって、クリエイターの収入が大きく変動する可能性があります。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、YouTubeや、Instagram、FacebookなどのSNS上で大きな影響力を持つインフルエンサーに、製品やサービスのPRをしてもらうことで、消費者の購買に繋げるマーケティング手法です。

ファッションやグルメ、旅行など、それぞれのジャンルに特化したインフルエンサーにPRの依頼することで、狙ったターゲットに情報が届きやすく、消費者目線で商品の訴求を行える特徴があります。

オーディエンスが直接課金するサービス

Webマーケティングにおいてオーディエンスとは、広告を配信する際のターゲットを指します。近年TwitterやInstagramなどのSNSに限らずオーディエンスとクリエイターが直接つながり、オーディエンスが月額課金することで、クリエイターを支援するサービスが注目を集めています。

クリエイターの主な収入源

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングでは、資金を集めたい企業やクリエイターが、起案者としてクラウドファンディングサイトに製品やサービスをプロジェクトという形で掲載し、支援者は、プロジェクトに資金を提供することで、金額に応じて製品やサービスを受け取ることが可能です。

プロジェクトを立ち上げる際、目標金額を設定することができ、目標金額に達した場合のみ、プロジェクトの着手を行うAll-or-Nothing型という販売方法があります。そのため、企画段階のイベントを、プロジェクトとして掲載する事ができ、リスクを抑えながら短期間に多額の資金調達を行うことができます。

またクラウドファンディングでは、商品やサービス自体の機能的な価値ではなく、プロジェクトを立ち上げた背景やストーリーに共感し、起案者を応援したい気持ちも含めて、プロジェクトのリターンを購入する支援者が多くいらっしゃいます。そのため、短期的な資金調達だけではなく、ファンのエンゲージメントの向上や、新しいファンの獲得といった観点からクラウドファンディングを活用するクリエイターが増加しています。

例えば、バーチャルシンガーの花譜さんは、ワンマンライブの実施における会場や機材のレンタル費の資金調達を行うことを目的に、All-or-Nothing型でクラウドファンディングを行い、「ライブチケット」や「詩集朗読音声」を支援者に提供することで、4,000万円以上の資金を調達しつつ、ファンのエンゲージメントを向上させるプロジェクトを実施しました。

(プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/153477

投げ銭

投げ銭は、ファンがコンテンツに対して送金するシステムで、視聴者は、配信者に応援する気持ちを直接伝えることが可能です。一方で、配信者もリアルタイムでファンからの応援を受け取ることができるので、配信を継続するためのモチベーションを向上させることができます。

例えば、YouTubeの「スーパーチャット」では、ライブ配信中に1日あたり50,000円まで、コメント付きで投げ銭を行うことができ、金額が高ければ高いほど長くコメントが表示されるので、配信者も投げ銭をしてくれた方のコメントに対し、反応しやすい環境が整えられています。近年、Twitterは「Tip Jar」、Instagramも「バッジ」というライブ配信中に投げ銭を行えるサービスを公開しており、投げ銭に対する注目度は年々高まっています。

月額課金

月額課金によって、ファンがクリエイターに対して継続的な支援を行う方法があります。

例えば、サブスクリプション型のクラウドファンディングであるPatreonでは、クリエイターに対し継続的な支援を行うことができ、クリエイターは限定コンテンツの配信やクリエイティブプロセスを共有することで、ファンのエンゲージメントを高めることができます。また、サブスクリプション型でニュースレターを配信するSubstackも注目を集めています。

eコマース

ライブコマースでは、ライバーと呼ばれるクリエイターが商品やサービスの紹介をライブ配信で行い、リアルタイムでユーザーの質問に回答するなど、ファンと密なコミュニケーションを取ることで、より商品やサービスに対して愛着をもってもらえるような仕組みを提供しています。

広告・アフィリエイト

クリエイターが作成したブログや動画などのコンテンツに広告を掲載することで、収益を得るという方法が、従来クリエイターの主な収入源の1つです。

例えばYouTubeでは、チャンネル登録者数や視聴回数など一定の基準を満たしたアカウントに関して、広告収益が得られる権利が付与され、視聴中のコンテンツと関連性が高い広告が表示される仕組みが整えられています。

また、アフィリエイトなどの製品やサービスの広告をブログやSNSで掲載し、申し込みに至った場合に、成果報酬として収入を得ることができる仕組みもあります。

まとめ

クリエイターエコノミーとは、これまで消費者として経済活動に参加していた方が、発信や販売側になれる双方向の経済圏を表しており、新型コロナウイルスの影響により、急速に市場規模が拡大しました。

これまでクリエイターは、固有のプラットフォームに依存して活動していましたが、近年、保有するファンコミュニティに対して、複数のビジネスを展開することで、個別の経済圏を勝ちとるケースが増えつつあります。

またクラウドファンディングを活用することで、リスクを抑えて短期的に資金を調達しつつ、ファンのエンゲージメントを向上させる方法を紹介しました。

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