ビジネスモデルキャンバス(フレームワーク)について徹底解説

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はじめに-戦略策定の鍵
これまでに、SWOT分析、PEST分析、3C分析などいくつかのフレームワークを紹介してきました。
今回紹介するフレームワークは「ビジネスモデルキャンバス」というものです。自社のサービスを俯瞰的に分析し、抜け目がないかチェックをするこの手法は、自社の戦略を練る上で必要不可欠と言っても過言ではないでしょう。
このビジネスモデルキャンバスは、自社のプロダクト、あるいは自社全体のビジネスモデルを紙などに記載し、視覚的に理解することによりその効果を発揮します。そして分析するにあたって、9つの視点で見ることになります。
これから、その9つの全てをご紹介します。
分析に必要な9つの視点
まずは、それぞれの視点について説明したいと思います。
顧客(Customer Segments)
分析対象のサービスがターゲットを誰にしているか、を分析します。同じ商品でも、女性用にするのか、あるいは男性用にするのかでブランドのイメージや、どういう手法で広告を練るかが変わってきます。
一番基本のところとして、誰の課題を解決するビジネスなのかをしっかりと把握するために、「顧客」の分析は非常に大切でしょう。
価値提案(Value Propositions)
顧客に続いて価値提案は、顧客の課題やニーズに対しどのような価値を提供するか、ということです。この時に、3C分析も活用しながら分析するとより分析の質が向上するでしょう。
チャネル(Channels)
価値提案を顧客に、どのような手法で伝えるか、ということです。テレビでの広告なのか、バナー広告なのか、あるいは街頭でのティッシュ配りによって伝えるのか、、、
サービスによって向いている、向いていない広告手段が存在します。ゆえにどの手法を使うかを決めることは非常に大切であると言えます。
顧客との関係(Customer Relationships)
極端な例ですが、結婚をサポートするウエディングプランナーと、コンビニのおにぎりの顧客との関係性は違います。前者は人生に一度の関係となりますが、後者に関しては消費者の日常に密接に関わっていく関係性となります。
このように、自社のサービスが、顧客とどれくらい距離をとるのが妥当であるのか、あるいはどれくらい寄り添えば満足度は高まるのか、というところを分析することが「顧客との関係」です。
収益の流れ(Revenue Streams)
「マネタイズ」という言葉で表現されることもありますが、分析対象のサービスがどこで利益を取っているのかを分析することです。
同じ動画事業でも、視聴者ではなく広告主から収益を受け取るスタイルの事業もあれば、視聴者から直接もらうスタイルの事業も存在します。収益の流れをどのようにするのかを決めることは、自社の魅力や強みをどこに打ち出すかに密接に関係して来ますので、しっかりと考えて戦略を練る必要があります。
キーリソース(Key Resources)
「ヒト」「カネ」「モノ」のことです。
いくら良いアイディアだとしても、それを運営する労働力や資金が無ければ実現は不可能です。ゆえに分析対象のアイディアを確実に持続し続けられるリソースが社内にあるかを確認する必要があります。
なお、この「モノ」は無形である社内の情報や、社員の経験などで培ったノウハウなども含まれております。
主要活動(Key Activities)
分析対象の事業を大きくさせるために、どのような活動をすべきなのかを把握します。営業活動が中心となっているのか、あるいはプロダクトに力を入れているのであれば技術者は社内に確保されているのか、などです。
ポイントは、「事業の成長」だけではなく「自社組織の成長」も同時に考えて分析することだと言えるでしょう。
キーパートナー(Key Partners)
分析対象の事業やプロダクトを運用するために必要になるビジネスパートナーの存在です。
例えば人材紹介事業の場合は、前述した「顧客」が求職者であるのに対し、今回のキーパートナーは求職者を求めている掲載企業側や、業務委託をしているフリーランスのエージェントなどになります。
自社ではできないタスクをどこに外注するのか、しっかり決めておく必要があります。
コスト構造(Cost Structure)
分析対象の事業を運用するにあたって必要となる費用などを表します。
こちらはただお金だけではなく、一つ一つの行動に必要な労働力などの人的コストなども分析対象に含まれます。
9つの視点を、さらに3つの領域に分ける
そしてさらに、この9つの情報を、さらに3つの領域に分けて分析をします。3つの領域は主に「有用性」「実現可能性」「持続可能性」と言われています。それぞれ説明します。
- 有用性
中央から右にかけて、「有用性」をポイントに見ることができます。「有用性」とは役に立つかということで、ここの項目が少ない、あるいは考えられないということが本当に市場にとって必要なことであるのか再考すべきとも言えるでしょう。
- 実現可能性
「実現可能性」は主に左の領域です。こちらはリソースが欠如していないか、あるいは協力してくれる企業が存在するのかなどを見定める為に重要な領域となっています。
- 持続可能性
最後に「持続可能性」は、下の領域です。長期的な視点で、ビジネスを継続させる為に必要であるリソースは揃っているのか、を見る為に重要な領域となっています。
まとめ-9つ全て繋がっている
今回紹介したビジネスモデルキャンバスは、見るべきポイントが9つもあり、大変だと思われる方もいるかもしれません。しかし、この9つはそれぞれ独立したものではなく、一つの事業、ビジネスを動かすために全て密接に関係しているので、全てしっかりと理解し、実際のビジネスの場で使えるようにしておくべきでしょう。
今回の記事を参考に、ビジネスモデルキャンバスを作成し、分析してみてはいかがでしょうか?
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