ホラクラシー組織とは?メリットデメリットや導入事例を徹底解説

ヒエラルキー組織に相反する存在として、ホラクラシー組織というものがあります。これまでと全く違う組織体系ということで注目を集めていますが、実際に導入している日系企業はまだ多くないかもしれません。
今回はその「ホラクラシー組織」についてご紹介します。
Contents
ホラクラシー組織とは?
ホラクラシー組織とは、階級や上司・部下というような関係が存在しない組織のことを指します。ホラクラシー組織では、役職のような肩書の代わりに役割が与えられ、個々がその役割の中で適切な意思決定を行います。
一般的なヒエラルキー組織では上司が意思決定権を持ち、取り組むべき仕事について上司が部下に指示を与え、部下の仕事を上司が管理しています。しかしホラクラシー組織には上司という存在がいないため、社員全てに意思決定権が分散しており、上司に指示を仰ぐこともありません。
ホラクラシー組織のメリット・デメリット
ホラクラシー組織にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?それぞれ3つずつご紹介します。
メリット
生産性の向上
ヒエラルキー組織では管理・監督者の業務負担が大きいものとなっていました。しかし、ホラクラシー組織では管理業務がないため本来取り組むべき事業の業務に集中でき、生産性の向上が期待できます。
ストレス軽減
ホラクラシー組織では上下関係がないので、上司の目を気にしながら仕事を行う必要がありません。よって、上司からの理不尽な指示や上下関係がもたらす悩みからも解放されるでしょう。
社員の主体性の向上
社員は意思決定権を持つことで仕事に対して責任感が芽生え、主体性が身につきます。また、主体的に業務に取り組めるようになれば自身の「やりたい」という気持ちのもと業務に取り組めるので、社員のモチベーションアップにもつながります。
デメリット
機密情報の管理
ホラクラシー組織では個々が意思決定を行います。そのため、ヒエラルキー組織であれば上層部が管理していたような機密情報もオープンな状態になっており、機密情報が社外へ漏えいするリスクがあります。情報漏えいを避けるためには、社員に機密情報保持の意識をもたせることが必要になります。
社員の把握が困難
ホラクラシー組織では上司という存在がなく、社員個々に意思決定権が存在します。そのため社員の仕事を1つ1つ把握することが困難になり、組織全体をコントロールすることも難しくなります。
社員の負担が増える
ホラクラシー組織には上司という存在がいないため、何か問題が発生した際に社員自身でトラブルを解決する必要があります。また、これまでヒエラルキー組織で働いていた社員の場合ホラクラシー組織では急に主体性が求められることになり、組織に馴染むのに時間が掛かってしまいます。
ホラクラシー組織の導入企業例
ここまでホラクラシー組織の概要についてご紹介しましたが、実際にどのような企業が導入しているのでしょうか?
ここでは実際にホラクラシー組織を導入した企業の事例を2つご紹介します。
Zappos.com
ザッポス社(Zappos)はアパレル系通販サイトを運営するアメリカの会社。2014年にホラクラシー組織を導入したことで話題になりました。
ザッポス社は役割ごとに分けられたサークルという単位で組織されています。そして、サークルの中にはリードリンクという役割を持った方がいますが、この方はメンバーに指示を出すのではなくメンバーの環境を整える役割を担っています。
ホラクラシー組織を導入した当初はホラクラシー組織に違和感を覚えた社員約210名が退職してしまったそうですが、現在もホラクラシー組織を維持しており、CEOであるトニー・シェイ氏もその効果を実感しているようです。
ダイヤモンドメディア株式会社
創業時2008年からホラクラシー組織を導入しているダイヤモンドメディア株式会社。日本で最初にホラクラシー組織を導入した企業とも言われています。
社長である武井浩三氏は自身のブログでホラクラシー組織について言及しており、取り組んだ施策も紹介しています。マネジメント面では「人を管理しない」「上司部下無し」など、金銭面では「給料は相場で決める(チームでの話し合い)」といったように、施策が細かく挙げられています。
また、中には廃止している取り組みもあることから、試行錯誤をしながらホラクラシー組織を作り上げている様子が伺えます。
ブログの最後は、今後もホラクラシー組織を実践する、という内容で締められていますので今後もその動向に注目です。
まとめ -社員の主体性を育てる-
組織に所属すると役職が与えられ、それにより上司と部下がいて当然であろう、という方はホラクラシー組織に対して違和感を覚えるかもしれません。
しかし、ホラクラシー組織は社員の主体性を育てる新しいマネジメント手法として注目を集めており、導入する企業があるのも事実です。
ホラクラシー組織を会社全体に導入するのは困難であっても、自社の組織体制を見直すヒントとしてホラクラシー組織に注目してみてはいかがでしょうか?
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