「コア・コンピタンス分析」で必要な5つの視点

他の記事でも説明している通り、新規事業や企業の戦略を練る際に、様々なフレームワークを駆使しながら分析することは非常に重要であると言えます。
今回の内容では、「コア・コンピタンス分析」という手法について説明したいと思います。
Contents
コア・コンピタンス分析とは?
文字から察した方もいるかもしれませんが、コア・コンピタンス分析とは、この企業の中心(コア)となり、他の企業には負けない力、能力、技術(コンピタンス)を分析する手法のことです。
このコア・コンピタンス分析は、自社の「強み」と「弱み」市場における「機会」と「脅威」を分析するSWOT分析や、3C分析を行う際に使用するケースも存在します。詳しく知りたい方は下記の記事をご一読ください。
「SWOT分析」とは?コンビニ運営企業の強み・弱みなど具体的な企業事例も含めて徹底解説
3C分析とは?マーケティング戦略策定の際のやり方を徹底解説
架空の店を使って実際にコア・コンピタンス分析を実施
このコア・コンピタンス分析ですが、5つのポイントに分けて自社の事業を分析することが多いです。その5つのポイントを、「架空のドーナツ店」を使って説明します。
模倣可能性(Imitability)
どんなに素晴らしいサービスで、顧客のニーズを捉えていたとしても、そのサービスが誰でも作れるようなものであった場合、競合が増えてしまい自社の利益が落ちてしまいます。
ゆえにコア・コンピタンス分析をする際は、自社のサービスがいかに真似ができない専門性があるものであるか、あるいは技術力があるか、などの分析をすることが大切となってきます。
前述したドーナツ店に当てはまると、本場アメリカのシェフが独自の技術で作っているドーナツ、といったような、文字通り誰にも真似できない技術であった場合は模倣可能性は低くなります。
移動可能性(Transferability)
移動可能性というのは、「そのサービスがいかに汎用性があり、様々なサービスやアイディアに応用が効くか」ということです。移動可能性が高いと、市場でそのサービスが使える機会が増えることになるので、価値が高まるということになります。
前述したドーナツ店に当てはめると、シェフの技術で別のスイーツも作成でき、さらに味のバリエーションも増やせるのであれば移動可能性は高く、1種類しか作れないのであれば低いといえます。
代替可能性(Substitutability)
代替可能性とは、分析対象のサービス(事業)以外でも、ニーズが満たされてしまう可能性があるか?ということです。
例えば、このドーナツ店の周辺に多くのスイーツを揃えたコンビニが大量に存在していると仮定した時に、このドーナツ店が低価格で手に入りやすさを重視していた場合は代替可能性は高く、高価格ではあるがどこにも負けない味や、セットで自家製のドーナツに合うお茶などを提供していた場合は代替可能性は低くなります。
反対に、周辺にも同じような高級ドーナツ店が多い場合は代替可能性が高くなります。
希少性(Scarcity)
こちらの希少性は文字遠り、分析対象のサービスに稀少性があるか?を分析するということです。
模倣可能性や代替可能性と似ているところもあるのですが、今回のドーナツ店の例だと、【1日限定〇個!】というような、限られた人しか食べられない、知れないというような施策を練っている場合は、希少性が高くなります。
この希少性が高いと消費者側としては、「どうにか手に入れたい!」という心理状態になり、そのプレミア感がさらに新しい顧客を生み出すという好循環を回せるというメリットがあります。
耐久性(Durability)
耐久性は、長期に渡って市場での優位性を保ち続けられるか、ということになります。
こちらはブランド名や名声がある場合は耐久性が高いと言われています。
この耐久性に関しては変化の激しいIT業界、特にゲーム市場において重要となってきます。耐久性を常にキープし続けるためにゲーム内でのイベント、アニメとのコラボなどを定期的に行っている様子は、ユーザーであれば幾度と見ているのではないでしょうか?
まとめ- あらゆるシーンで使える分析手法
冒頭でも記載した通り、今回紹介したコア・コンピタンス分析は、SWOT分析を行う際に同時に使うことも多いです。「フレームワークをするためのフレームワーク」とも言えるでしょう。
さらにこのコア・コンピタンス分析は「強みを見つける」という行為において大きな効果を発揮します。例えば、分析対象が企業だけではなくても、この5つの指標を個人に当てはめて、転職の際に他人にはない自分の強みなどを把握する「自己分析」をする際にも使えます。
日常でも役に立つ時はあると思うので、この機会に是非覚えてみてはいかがでしょうか?
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