2023.12.22

新規事業提案のプレゼンで意識すべきポイントとは?プレゼン資料・スライド資料の作成方法と共に徹底解説

新規事業提案のプレゼンで意識すべきポイントとは?プレゼン資料・スライド資料の作成方法と共に徹底解説

魅力的な新規事業のアイデアを思いついても、それを実現するための予算等を獲得するためには、社内外で企画のプレゼンテーションを行わなければなりません。

しかし、せっかくアイデアが優れているにも関わらず、プレゼンテーションスキルが足りないせいで、採用されず実現に至らなかったという経験をされた方も少なくはないでしょう。

事実、マーケティングリサーチのトレンド情報を提供するサイト『知るギャラリー by INTAGE』が2017年にビジネスパーソンを対象に実施したアンケート調査によると、およそ7割の方がプレゼンテーションに”苦手意識”を持っていることが明らかとなっています。

では、そんな魅力的な新規事業のアイデアを実現させるための”効果的なプレゼンテーション”とは一体どのようなものなのでしょうか。そこで今回は「新規事業のプレゼンで意識すべきポイントとは?」について詳しく解説していきたいと思います。

新規事業のプレゼンで意識すべきポイントとは?

新規事業プレゼンテーション準備から作成、本番までの流れ

先ずは、新規事業のプレゼンテーション(以降、プレゼン)について、準備から作成、本番までの流れを押さえておきましょう。

▼準備

プレゼンに限ったことではありませんが、物事に取り掛かる前には必ず事前準備を入念に行う必要があります。仮に準備を疎かにしていたり、準備に抜け漏れがある場合、プレゼン内容の質が低下し、相手に自身の想いや考えが正しく伝わらず、欲しい意思決定を引き出すことが難しくなります。

あのイチロー選手も試合前の事前準備の大切さを語っているように、プレゼンの目的の達成に向けてしっかりとした準備を行うことは必要不可欠なのです。

具体的には「プレゼンを行う目的を明確にする」「プレゼンの相手を理解する」「プレゼンのストーリーを作る」が必要な準備として挙げられ、これらについて次章「2. 【準備】新規事業プレゼンの企画・フレームワークを立てる」で説明します。

▼作成

プレゼンの準備を入念に行った後は、実際にプレゼンを作成する工程に移ります。プレゼンの作成においては相手に自身の想いや考えが正しく伝わるように、視覚的表現や言葉選びなどに工夫を凝らす必要があります。仮に作成した内容が分かりにくい場合、いくら優れたプレゼン内容であったとしても相手に正しく伝わらず、プレゼンの場で欲しい意思決定を引き出すことが難しくなります。

事前準備を入念に行ったからこそ、作成の工程で伝えたい内容をしっかりと資料に落とし込むことが求められるのです。 

▼本番

プレゼンの準備と作成を行った後は、いよいよ発表本番を迎えることになります。

プレゼンの発表本番では用意してきたプレゼン資料を自分の言葉で相手に分かりやすく伝えることが必要になってきます。仮に発表本番で分かりにくい説明をしてしまった場合、いくら優れたプレゼン内容やプレゼン資料であったとしても相手に正しく伝わらず、最悪の場合、プレゼン内容について相手の誤った理解を導いてしまい、欲しい意思決定を引き出すことができなくなります。

プレゼンの準備と作成を丁寧に行ったからこそ、発表本番でしっかりと自分の言葉でわかりやすく相手に伝えることが求められるのです。

以上のように、プレゼンにおいて準備、作成、本番の流れがあり、それぞれの重要性についての概要を説明しました。

プレゼンにおいて準備、作成、本番の流れとそれぞれの重要性を理解した上で、各工程について詳しく見ていきましょう。

【準備】新規事業プレゼンの企画・フレームワークを立てる

先ずはプレゼンの準備についてポイントを紹介していきます。

目的を明確にする

プレゼンは最終的な目的を実現するための手段に過ぎません。プレゼンを経て達成したい目的を明確にすることが先ずは重要です。

特に新規事業のプレゼンにおいては次のような目的が挙げられます。

・社内外の意思決定者(以降、関係者)の理解と承認を得ること

新規事業のプレゼンを行う場面として、社内外の意思決定者に理解と承認を得る必要がある場面が挙げられるでしょう。承認対象は投資意思決定や、経営リソースの投下意思決定など様々ですが、いずれにしても何かしらの意思決定を導きたいという目的がプレゼンを行う背景にあるはずです。

プレゼンを行うことによって誰に何の理解と承認を得たいのかを明確にする必要があります。

・承認を得られた関係者に次の行動を行ってもらうこと

関係者に承認を得られたとして、必要であれば関係者に次の行動を行ってもらう必要があります。関係者に具体的にどのような行動を、いつまでに行って欲しいのかを明確に伝える必要があるのです。そのためには、プレゼン内容に具体的な新規事業のロードマップや今後のアクション内容、それら内容に基づく関係者にいつまでに何を行って欲しいのか、行動をリストアップしたものを見せて説明することが必要です。

相手を理解する

前述の通り、プレゼンを行う目的は関係者の意思決定を導き、必要であれば次の行動まで行ってもらうことにあります。ゆえに、プレゼンする関係者(プレゼン相手)を理解する必要があるのです。「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉がある通り、プレゼンする相手は決して敵ではありませんが相手のことをよく理解することは、プレゼンの目的達成のためには必須事項となります。

1. 前提

さて、相手のことを理解する前に、いくつかの前提情報を理解しましょう。

  • 関係者の数だけ、聞きたい情報が違う

関係者の数が多ければ多いほど、関係者それぞれの立場や責任範囲、思考方法や解釈の違いが発生します。すなわち、全ての関係者にとってメリットがあるプレゼン内容にすることは難しく、無理矢理にでも全ての関係者のメリットに合わせた内容にすれば、新規事業プレゼンで本当に達成したい目的とのズレが生じてしまう可能性も高まります。ゆえに、新規事業で本当に達成したい目的を根幹としながらも、関係者のメリットにも寄り添うために、「関係者の数を限定する」必要があります。

限定する基準の例として、関係者が全社戦略に対して重要な意思決定を行う人物に絞ることが挙げられます。

  • ブレゼンの目的達成のポイント:相手にとってのメリットを伝える

プレゼンの目的は関係者の意思決定を引き出すことにあります。ゆえに、プレゼンの内容は自分自身にとってのメリットばかりを伝えるのではなく、相手にとってのメリットを伝えることにより、得たい意思決定を引き出す確率を高めることが重要です。

もちろん、関係者のメリットばかりを重視し過ぎて新規事業で達成したい目的の本質を見失うことは本末転倒であるため注意するとして、例えば関係者が経営層である場合、その新規事業が会社にとっていつまでにどのくらいのメリットになるのかなどをしっかりと伝えることが重要になります。

  • プレゼンの時間:上層の相手ほど、話す時間は少なくなる

プレゼンを経営層などの上層の相手に対して行う場合、経営層などの上層の相手ほど一般的に忙しく、話ができる時間は少なく限られていると考えた方が良いでしょう。そのため、短時間で得たい意思決定を引き出すために、プレゼンで最も伝えたいことが何であるかを分かりやすく簡潔に伝える必要があります。そのためには、「プレゼン内容のサマリー(エレベーターピッチ)」や「プレゼンで得たい意思決定が何であるか」などを冒頭説明で行うことも有効です。

以上の前提を踏まえた上で、プレゼンの相手を理解していきましょう。

今回は、社内向けに新規事業のプレゼンを行う場合の相手を理解していきますが、社内で意思決定を下す役職者として「プロジェクトリーダー(課長クラス)」「部長や事業部長」「経営者層」の3階層を例として挙げて説明します。

2. プロジェクトリーダー(課長クラス)

相手がプロジェクトリーダーや課長クラスであれば、一緒に現場のプロジェクトを担当している可能性が高いでしょう。プロジェクトリーダーはプロジェクトの指揮を取っているため、ご自身が検討している新規事業を進めていくにあたって、いつからどれくらいの期間でどれほどの実務工数が発生し、現在担当しているプロジェクトなどにどれくらいの影響を与えるかを明確に示す必要があります。それらの情報をプロジェクトリーダーに正しく伝えて理解してもらいましょう。

3. 部長や事業部長

相手が部長である場合、部としての見解や意向、部署全体の実務工数に対する工数時間の割り当てなどについて承認を得る必要があります。

ご自身が検討している新規事業を進めていくにあたって、部としてどのような見解を持ち、どれほどのメリットがあるのか、現状の部の人的リソースや全体工数、案件数に対してどれほどその新規事業計画に部としての工数を割くことが可能かを判断する必要があります。それらの情報を部長に正しく伝えて理解してもらいましょう。 

4. 経営者層

相手が経営者層である場合、会社としての見解や意向、全社的リソースの割り当ての可否、全社戦略方針に則しているかなどについて承認を得る必要があります。

ご自身が検討している新規事業を進めていくにあたって、会社としてどのような見解を持ち、会社にとってどれほどのメリットがあるのか、全社戦略方針に対してズレが生じていないかを判断する必要があります。それらの情報を経営者層に正しく伝えて理解してもらいましょう。

ストーリーを作る

目的を明確にし、プレゼンを行う相手のことを理解した後は、作成に取り掛かる前にプロットを作る必要があります。プロットとは、プレゼンの内容を相手に伝わりやすくするためにストーリーを加工して、順序を入れ替えたものです。プレゼンの目的や相手の判断軸などによって、プレゼン内容のストーリー順を変えて、相手の興味を引き、理解を深める目的があります。

一方で、プロットを作るにもプレゼン内容について大枠のストーリーがなければ、それを加工してプロットしていくことはできません。ゆえに、先ずは新規事業の大枠のストーリーを作る必要があります。

どうやって新規事業を思いつくか?

さて、新規事業の大枠のストーリーを作るためにも、先ずは新規事業を思いつく必要がありますが、どのように新規事業のアイデアを思いつくのかについて、3つのポイントを紹介します。

ここからの説明はプレゼン自体からは離れたテーマとなるため、新規事業アイデアが既にしっかりと固まっている方は次章「3. 【作成】プレゼン資料・スライド作成のポイント」に進んでいただければ幸いです。

・情報のインプット

先ず、新規事業アイデアを生み出すには情報のインプットが必要になります。インプットがゼロの状態から新たなイチを生み出すことはできません。

情報には、新規事業アイデアに関する情報や、過去、現在、未来の市場の情報、顧客情報など様々ありますが、データを一定集め、そこに意味合いを加えて人に対して伝達するためにまとめたものが情報と定義されます。インプットした情報は、人間の認識や理解のふるいにかけられて知識となります。そして、知識に対して自身の価値観や経験、志向性、思考法などから意味合いを加えることにより、知識は知恵に昇華します。

ただ世の中にある、ありとあらゆるデータを集めて情報として整理するのではなく、情報を知識、知恵にまで昇華させることで新規事業アイデアに独自性が生まれ、アイデアの仮説構築、具現化した際に他社との競争優位性の源泉を生む可能性が高まります。

一方で、情報のインプットばかりを行っていては、いつまで経っても新規事業を生み出すことはできません。インプットした後はアウトプットを行い、市場/顧客の反応の確認と、フィードバックから学習をすることが重要になります。

・情報のアウトプット

インプットした情報、並びに知識、知恵はアウトプットして市場/顧客の反応の確認と、フィードバックから学習してインプット情報の質をさらに高めるために役立てる必要があります。

・既存の要素同士の新しい掛け合わせ

イノベーション論で知られるヨーゼフ・シュンペーターは、「経済発展の理論」にてイノベーションとは「新結合」、すなわち、既存の要素同士の新しい掛け合わせで価値を生み出すものであると述べています。

全くのゼロベースで新たなイチを生み出すことは非常に困難であり、多くのイノベーションは既存の知識やアイデアを掛け合わせることで、新たなイチを生み出しています。

例えば、iPhoneは音楽再生プレイヤー、電話、インターネット、カメラを組み合わせたものであり、最近話題のFinTechなども造語から推測できるようにFinancialとTechnologyの組み合わせで、金融業界に新しいイノベーションを生み出しています。

このようにイノベーションが既存の要素同士の新しい掛け合わせであるからこそ、情報のインプットにより知識と知恵の既知情報を蓄えておくことが重要となるのです。

思いついたアイデアを分析・具体化する

上記ポイントを踏まえて新規事業アイデアを思いついた後は、そのアイデアを分析・具体化していきます。

・アイデアの具体化

思いついたアイデアは仮説を言語化、図式化、質量化する具体化作業を行う必要があります。なぜなら、具体化したものを市場でテストして反応を得る必要があるからです。具体化せずに自身の妄想の中だけでアイデアを作り上げてしまうと、いざ市場に新規事業として出した時に誰からも必要とされないものとなってしまう可能性が高まります。

必ずアイデアは具体化して、市場の反応を得て学習し、アイデアのブラッシュアップに役立てなければなりません。一方で、初期の段階ではアイデアの具体化に時間をかけ過ぎる必要は全くありません。アイデアとして打ち立てた仮説の蓋然性を確かめることが目的であるため、必要最低限の情報や機能のみで市場に投下して、反応とフィードバックを得ること、フィードバックを得て学習し、新たな仮説を打ち立てて再検証する、これらのサイクルを高速で回していくことが何より重要です。

・市場調査

アイデアの具体化と並行して、市場調査などの側面から打ち立てたアイデア仮説を分析することも必要です。

そのアイデアを欲している市場はどれくらいの規模であるのか、その市場は今後も成長していくのかなど、マクロ/ミクロ環境の動向は市場調査からある程度掴むことが可能です。ただ調査するのではなく、情報を取捨選択しながら調査結果からアイデア仮説に対する示唆を導き出すことに注力しましょう。

・サービス構築

アイデアの具体化および、市場の反応を得て修正しながらコアなファンを一定数獲得することができれば、その新規事業アイデアは検証が完了した状態になっていると言えるでしょう。いわゆるProduct Market Fit(PMF)が完了した状態です。PMFが完了すれば、いよいよサービス開発・構築を進めていきましょう。

サービス開発・構築を進めていくと、一般的には開発者やマーケター等のステークホルダーが多くなり、会社的なコストが多く必要になります。ゆえに、サービス構築はいつまで行い、事業としていつまでに収益化を目指していくのかといった目標を明確にしてからサービス構築に取り掛かる必要があります。

【作成】新規事業のプレゼン資料・スライド作成のポイント

入念な準備を行った上で、次にプレゼン資料・スライドを作成していきましょう。この章ではプレゼン資料・スライド作成のポイントを紹介します。

プレゼン資料の作成

1. 概要

新規事業においては特に、初期検討の段階で時間をかけ過ぎてしまうと、他社が新規事業のアイデアを市場に先行投入してしまうリスクが高まります。相手に伝わりやすいプレゼン資料の作成を心がけながらも、短時間で質の高いプレゼン資料を作成する必要があります。

2. 作成のポイント

プレゼンを通して目的を達成するために、共通して重要となるプレゼン資料の作成ポイントを4つ紹介します。

  •  1スライド・1メッセージにする

基本的にプレゼン資料においてスライド1枚に対して、伝えたいメッセージは1つにした方が良いです。なぜなら、記載する情報量を必要最低限にして、重要な論点にのみ絞り込むためだからです。1枚のスライドに伝えたいメッセージを詰め込みすぎると、重要な論点が何であるかが分かりにくくなってしまい、そのスライドで何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。

  • フォントサイズを大きくする

プレゼン資料は見やすい資料であることも重要です。記載する情報量を少なくして重要な論点を絞り込むことで、限られたスライドスペースに対して、記述する文字の大きさを適切な大きさにすることが可能です。

プレゼン資料は視覚的情報が多くを占めるため、文字1つを取っても相手に見やすい資料を作成することを心がけましょう。

  • 認識しやすいカラー設定にする

相手に見やすい資料作りとして、色使いにも工夫を凝らしましょう。例えば、背景色と文字色は全く違う色(黒色と白色など)を選びましょう。背景色と文字色が近しい色(黄色と白色など)にしてしまうと、文字が見えにくくなり、相手にとって見やすい資料にはなりません。このような細かな気遣いが相手に正しく伝えるためには重要になってきます。

  • 結論から先に伝える

プレゼン時間の説明で、短時間で得たい意思決定を引き出すために、プレゼンで最も伝えたいことが何であるかを分かりやすく簡潔に伝える必要があり、そのため「プレゼン内容のサマリー(エレベーターピッチ)」や「プレゼンで得たい意思決定が何であるか」などを冒頭説明で行うことが有効であることを紹介しました。結論から先に伝えることで、相手もその結論を前提としてプレゼン内容を聞くことができるため、より理解が深まるメリットがあります。ゆえに、プレゼン資料の作成の際にも結論から作成して冒頭部分に入れることがポイントです。

想定問答の作成

1. 概要

想定問答とは事前に想定される質問内容と、それに対する回答内容のことであり、想定問答を事前に作成しておくことでプレゼン内容に対する質問に対して、正しい回答を伝えることに役立ちます。

また、想定問答を作成する過程で資料作成の際には気づかなかった観点や論理的に破綻した箇所などを再確認することもできます。

2. 作成のポイント

想定問答を作成する際のポイントを3つ紹介します。

  • 客観的な視点で想定問答を作成する

プレゼン資料を作成していると、どうしても主観的な視点に偏りがちです。想定問答は相手からの質問内容とそれに対する回答内容を想定して作るものですので、客観的な視点で作成することがポイントです。

  • 相手の思考法や意思決定判断基準を理解する

相手の思考や判断軸が定性的な情報を重要視する傾向があるのか、定量的な情報を重要視する傾向があるのかによって、想定される質問内容も異なってきます。また、相手の立場によっても意思決定判断の基準も異なるため、プレゼンを行う相手の思考法や判断軸を理解することも想定問答を作成する上で重要なポイントです。

  • 過去のプレゼン事例の質問内容を確認する

新規事業アイデアの内容は異なっても、過去のプレゼン事例の質問内容は類似していることは往々にしてあります。例えば、収支計画に対する質問であれば、収支計画の計算ロジックに関する質問であったり、新規事業アイデアの目指す世界観に対する質問であれば、発表者の原体験に関する質問など、質問の観点に相関性があることが多いため、過去のプレゼン事例を確認し、どのような質問があったのかを確認しておくこともポイントの1つです。

新規事業のプレゼン資料の事例

さて、今まではプレゼンの準備から作成までのポイントを押さえてきましたが、実際に世の中の有名企業のプレゼン資料はどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

Airbnb

Airbnbは、部屋や家を貸したいホストと、部屋や家を借りて滞在したい人のニーズをマッチングさせる世界最大手のバケーションレンタルサービスです。2008年に2人のデザイナーが、宿泊先を探していた3人の旅行者を家に泊めたことからはじまり、今や何百万人ものホストや旅行者が無料でAirbnbアカウントを作成し、部屋を掲載したり、世界中のユニークな宿泊先を予約したりしています。

そんなAirbnbの初期プレゼン資料は非常にシンプルであったことが有名です。スライド枚数も全部で14枚程度です。

Airbnbのプレゼン資料はまず「Problem(課題)」のスライドから始まります。また、「User Testmonials(ユーザーの証言)」というユーザーの実際の声・反応に関するスライドも入れていることが特徴的です。アイデアを具現化してアウトプットしたことにより、市場、ユーザーからどのような反応が得られたのかをありありと表現しています。まさにシンプルかつ伝えるべき情報が網羅されたお手本のようなプレゼン資料の1つです。

Uber

Uberは、2009年3月にアメリカで誕生した配車サービスで、一般ドライバーが自家用車を使って目的地まで向かいたい人を乗せて移動するライドシェアサービスです。日本では配車サービスとしてではなく、フードデリバリーサービスのUberEatsが有名です。

Uberのプレゼン資料でも、最初のスライドは2008年当時のタクシーサービスの「課題」を示すことから始まります。一方で、Airbnbのプレゼン資料と比較して、市場調査情報、技術情報、今後の成長戦略がより詳細に記述されていることが特徴です。

Facebook

Facebookは、アメリカの会社Meta Platforms,Inc.が提供しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。2003年にハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグがFacemashというサービスを公開してから歴史は始まりました。

Facebookのプレゼン資料はFacebookのグラフや図形よりも文字が多く、マーク・ザッカーバーグの思考の言語化がしっかりと資料にアウトプットされていることが特徴です。内容としてもサービス概要や、ユーザー属性、ユーザーの成長率などが詳細に記されています。

【本番】新規事業プレゼン本番での意識ポイント

さて、新規事業プレゼンの準備と作成を十分に行った後は、いよいよプレゼンの本番を迎えます。プレゼンを行う相手の役職や、プレゼン時間の前提が様々であったとしても、どのようなプレゼンの本番においても共通して重要なことがあります。ここでは2つのポイントを取り上げます。

読み上げではなく自分の言葉で話す

プレゼン本番では用意してきた文章を読み上げるのではなく、自分の言葉で話すことを心がけましょう。極端な例かもしれませんが、好意を持った相手に自らの気持ちを打ち明ける時に、用意してきた文章を読み上げていては、相手に自分自身の熱意や想いを伝えることは難しいでしょう。機械的に文章を読み上げるのではなく、自分の言葉でありのままの想いを正直に話すことで、聞き手側も文章としてではなく想いのこもった言葉として受けとってくれます。

聞き手を見て話す

プレゼン本番では相手(聞き手)の目を見て話すことを心がけましょう。

また、好意のある相手への告白の場面を例に出してしまいますが、不安な気持ちから動揺を隠せずに目が泳いでしまったり、目を逸らしながら話していては、伝えたい熱意や想いは相手に伝わりにくいでしょう。事前準備を入念に行い、伝えたい気持ちを整理して、自信と勇気を持って話をすることができれば、自然と相手の目を見て話すことができるはずです。これはプレゼンにおいても同じことです。プレゼンの準備と作成を十分に行うことで、自信と勇気を持ちながら自然と相手の目を見て夢中になって話すことができるはずです。

まとめ

さて、ここまで新規事業のプレゼンで意識すべきポイントを、プレゼンの準備から本番までの流れの中で見てきました。これら全てのポイントを押さえておくことは大前提として、新規事業のプレゼンの目的は、「新規事業を前に進めるために、意思決定者の理解を得て、欲しい意思決定を導き出す」ことにあります。この目的の達成できる可能性を少しでも高めるために今回ご紹介した重要ポイントが皆さまの新規事業創出に役立てて頂ければ幸いです。

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