2024.3.14

プロダクトイノベーションとは?製品事例を徹底解説

プロダクトイノベーションとは?製品事例を徹底解説

プロダクトイノベーションという言葉を聞いたことがありますか?

少子・高齢化の21世紀の日本社会において、経済成長のエンジンとしてプロダクトイノベーションの重要性が増しているといわれています。

今回はそのプロダクトイノベーションの概要とアプローチについて紹介します。

プロダクトイノベーションについてご紹介。手法と事例でよりわかりやすく

プロダクトイノベーションとは?

プロダクトイノベーションとは、革新的な新製品を開発して、差別化を図ることであり、もっと砕いていえば開発・製造・物流などで他社が真似できない革新的なプロセスを実現し、他社に製品で差別化することです。

テレビ、冷蔵庫、携帯電話なども各企業が行ってきたプロダクトイノベーションです。

このようなイノベーションは身の回り、場合によっては消費者の生活形態を劇的に変えることもあります。

1950年にGDPの26%を占めていた農業のシェアは1995年には1.8%まで低下し、第3次産業のシェアは42%から64%まで上昇しました。

このことからもプロダクトイノベーションが産業構造のダイナミックな変化をもたらしていることは明らかです。

これからの日本、世界各国は少子高齢化などで物理的生産力は落ちることが予想され、経済成長を妨げますが、成長の鈍化を回避し、マクロ経済の成長を続けるには新しい財・サービスの創出が必須です。

プロセスイノベーションとの違い

プロセスイノベーションとは、製品やサービスを製造・流通する過程・工程・手順・方法に大幅な革新を起こすことです。

例えば、以前は人力で対応していた製造過程にロボットを導入することで生産性を向上させたり、仲介業者から販売していた商品を、ECサイトでダイレクトに顧客のもとへ届ける(D2C)といった変化も、プロセスイノベーションに該当します。

プロダクトイノベーションとの違いとしては、プロダクトイノベーションは提供されるプロダクトに影響を及ぼしますが、プロセスイノベーションでは提供されるプロダクト自体に影響はないです。

また、プロダクトイノベーションが売上を拡大して利益を確保する性質を持つのに対して、プロセスイノベーションは主にコスト(経費)削減によって相対的に利益を向上させる点も、両者の大きな違いとなります。プロセスイノベーションについてより詳しく知りたい方は下記の記事をご一読ください。

マーケットイノベーションとの違い

マーケットイノベーションとは、これまで誰も参入してこなかった新しい市場を開拓することです。いわゆるブルーオーシャンの発見と同様で、未開拓の場所に新規参入することで大きな売り上げや利益を見込むことが可能になります。

例えば、スマートフォンの普及に伴って生まれたゲーム専用のハードが不要な「スマホアプリゲーム」が挙げられます。新規参入のハードルも低くなり、アプリの数や質もこれまでとは比べものにならないほどに多様化しています。

プロダクトイノベーションとの違いとしては、マーケットイノベーションはビジネスが生まれる新しい領域を探すことから始まるので、プロダクトイノベーションとは進め方が異なります。

プロダクトイノベーションが世の中に与える影響

先ほど述べたようにプロダクトイノベーションは世界に衝撃を与え、生活をも変えてしまうほどの影響を持っています。

わかりやすい例で言えばスマートフォンです。

AppleがiPhoneをリリースしたことによりそれまでほとんどの人が持っていた二つ折り式の携帯電話が廃れていきました。

今や年齢性別問わずほとんどの方がスマートフォンで連絡、買い物、旅行予約などたくさんのことをしています。

このようにスマホが一台あれば何でもできてしまう世の中になり、様々なもののニーズがなくなっていき、新たなニーズが生まれました。

これは最近では『革新的な新製品を開発して、差別化を図ること』の最たる例であり、世の中に大きな影響を与えています。

プロダクトイノベーションの事例

ここでは、実際にプロダクトイノベーションを起こした企業事例について紹介します。

1. WALKMAN

ソニーのウォークマンが開発される契機は、同社創業者である井深大の海外出張にあります。同氏は、海外出張の際に機内でヘッドホンを使ってステレオ音楽を聴くのを好んだトップマネジメントのコンセプト構築とその背景です。当時のステレオ再生可能なテープレコーダーは、 重く大きく不便であり、そのため、1978年に製品化されていた手のひらサイズの小型モノラルタイプテープレコーダー「プレスマン」に、録音機能を外してステレオ回路を搭載する改造を要望しました。この改造機を気に入った井深は、当時会長の盛田昭夫に対して「歩きながら聴けるステレオのカセットプレーヤーがあったらいいと思うんだが」と問い掛け、同じ改造機を使った盛田も賛同し、製品化が始まりました。これとは別に開発の進められていた超軽量・小型ヘッドホン「H・AIR(ヘアー)」の情報を持っていた井深が、本体より大きいヘッドホンの問題も解決しました。

2. GoPro

GoProは、創業者ニック・ウッドマンの強烈なウォンツから誕生しています。彼の「自分自身でサーフィンのいい映像を撮りたい」という欲求がなければ、このカメラは誕生しなかったです。

そして彼のウォンツは、他の多くのエクストリーム系アスリートにも飛び火しました。さまざまなスポーツの場で、「記録したい」「楽しみたい」「見せたい(魅せたい)」「シェアしたい」ウォンツをもっているユーザーたちに連鎖的に発火しました。

おそらく、企業のお決まりの会議にかけられて、ニーズや汎用性を徹底的に追求されたら、この企画は一発で却下されていたでしょう。

3. Uber Eats

Uber Eatsは、それまでのデリバリーは、注文した店の料理をその店の店員が配達する、いわゆる出前が当たり前だったものに着目し、革新を起こしました。

様々な飲食店を勧誘し、各飲食店の配達を代行するという方法を考えました。これは、「今まで出前サービスがなかった飲食店の料理を届けてもらえる」「飲食店を一個一個調べなくても、アプリを開くだけで配達可能な飲食店が確認できる」などの提供価値を作り出しました。

4. ジェルボール

P&Gが開発したジェルボール型洗剤とは、2014年から発売されている、1回分の洗剤を水溶性の特殊フィルムに包んだ形の衣料用洗剤である。6kgまでの洗濯物に対して1粒を使用し、使用の際に計量したり、詰め替えたりする手間がないという利便性から話題を呼び、投入から1年足らずでシェア約8%に達し、ヒット商品として認知されました。 一般的な液体洗剤と比較し2割程度高い価格設定でありながらも、総売上数は1億個以上を突破し、粉末でも液体でもない、第三の衣料用洗剤として一定の支持を得ています。28洗剤を包むフィルムは、簡単には破れないが水分によってすぐ溶けるという特殊な性質を持ち、4年の歳月を経て商品化に至りました。

プロダクトイノベーションのアプローチ方法

プロダクトイノベーションのアプローチには、「技術主導型」「ニーズ主導型」「類似品型」「商品コンセプト型」の4つがあります。

1. 技術主導型

技術主導型は、米国シリコンバレーの技術ベンチャー企業やバイオベンチャーに代表されるような、独創的で高い技術をもとに革新的な新製品を開発するアプローチです。

2. ニーズ主導型

ニーズ主導型は、日本企業が得意としてきたアプローチといえます。例えば緑茶の缶製品化、ペットボトル製品化は、ニーズに合わせて開発するアプローチです。

3. 類似品型

類似品型は、独創的な製品を模倣して開発する際、現存する製品よりもさらに利便性・機能性の高い製品開発の過程で生み出される「素材・部品イノベーション」が主流となります。

4. 商品コンセプト型

商品コンセプト型は、従来トレードオフの関係にあったような技術を開発するケースが多く、困難な開発課題をクリアする必要があります。しかし、開発できると革新的な製品になる可能性が高いです。 例えば、製薬業界では新薬の開発に数百億もの開発コストが必要なように、プロダクトイノベーションは業界によっては莫大な投資が必要とされます。そのため、製薬業界では自社開発力を持つために、M&Aにより企業規模を追求しています。

まとめ

プロダクトイノベーションの概要からアプローチ方法までを記事にしましたが、プロダクトイノベーションの社会に対する重要性を理解いただけたでしょうか?

世の中を変えるような画期的な製品が生まれるとそれの類似品、改良品、またそれに付随した製品が生まれ市場がガラッと変わり新たなイノベーションが起こります。

不況であったり、経済成長の停滞はプロダクトイノベーションによって止めることができます。

今回の記事がプロダクトイノベーションについて知るきっかけとなれば幸いです。

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