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2020.3.13

データからみる成功する企業イノベーション

データからみる成功する企業イノベーション

本記事はデータからみる世界のイノベーションの続編となっています。前篇では主に企業内イノベーションの状況と課題に焦点を当てました。本記事では企業イノベーションの状況や課題を踏まえつつ、事業を成功させるための必要条件”であるKSF(キーサクセスファクター)を紹介します。

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はじめに

前篇でも説明したように、イノベーションの実現は困難であり、成功に導けている企業はごくわずかです。

イノベーションや新規事業への実現は確実なメソッドがなく、不確実の中でさまざまな仮説を立て、想定されるリスクを一個ずつ潰しながら実現へと進みます。リーンメソッドやデザイン思考などさまざまな方法を活用できますが、必ずしもそれらが成功に導いてくれるわけでもありません。

またイノベーションや新規事業における学問は未発達であり、成功例よりも失敗例の方が圧倒的に多く、成功した要因などを定量的に測ることが難しいのが現状です。そのため本記事ではさまざまなデータを引用して成功要因を説明していますが、定性的なデータも多くなっています。

今回の記事ではイノベーションへの取り組みの成功確度を少しでも上げるために、さまざまな調査やレポートを基に有効的施策・考え方を6つ紹介いたします。

  1. 課題解決の考え方
  2. 未来予測
  3. 既存事業とのシナジーとイノベーションカルチャーの組成
  4. 両利きの組織構造
  5. オープンイノベーション
  6. 収益性で事業推進の可否を決めない

1.課題解決の考え方

世界的な経営戦略コンサルティング会社であるBooz&Co.が2011年に発表したGlobal Innovation 1000レポートによると、グローバルイノベーターである上位10企業の内、60%が顧客のニーズを探し課題解決をすることを優先事項としています。彼らは顧客との対話に積極的であり、未解決の課題をいち早く見つけ、競合よりも先にマーケットに参入することを意識しています。

ニーズシーカ―に関するデータ

同レポートでは課題を重視し顧客のニーズを重点的に見る人材を「ニーズシーカ― (Needs Seeker)」と呼んでいます。

ニーズシーカーの30%が、既存事業とシナジーの見込める領域で新規事業に取り組めていると回答しています。一見30%は低い数字には見えますが、ニーズシーカーでない組織は8%しか既存事業とシナジーが見込めていないと回答しています。成功確度を上げるのが難しいイノベーションや新規事業では、28%の差は非常に大きいです。さらにニーズシーカ―である組織は41%がイノベーションを積極的に促進する組織作りが出来ているそうです。そうでない組織は10%しかイノベーションに積極的な組織を作れていません。

この考え方は「課題ドリブン」×「速いPDCA」であり、リーンスタートアップとジョブ理論を混合させたものです。

2.未来予測

上述のレポートでは課題解決を優先にしている組織を「ニーズシーカー Needs Seeker」という言葉を用いていますが、それと並んで重要な人材として「マーケットリーダー Market Reader」と「テクノロジードライバー Technology Driver」を挙げています。

しかし重要なのはニーズシーカーのメンタリティが基盤であり、マーケットリーダーとテクノロジードライバーのマインドセットはニーズシーカーがあってこそ力を発揮するものとなります。

未来予測能力というのは、必ずしも未来を100%予知する天眼を身につけるということではありません。ここでいう未来予測というのは、マーケットの動向や注目されるテクノロジーから推測できる未来予測能力を指します。

マーケット動向では、現在と過去の流れやトレンドの回帰などを見ながら次に何が来るかを予測することです。テクノロジーのトレンドの理解というのはテクノロジー一個一個の概念を理解するだけでなく、それらのテクノロジーを点と点でつなぐ必要があります。

今の時代、テクノロジーが複雑化しているとはいえ、インターネットのおかげで個人単位でもイノベーションが起こせる時代になりました。ITやテクノロジーの波に遅れている企業よりも、テクノロジーに精通している個人がイノベーションを起こせるという危機感を持つ必要があります

3.既存事業とのシナジーとイノベーションカルチャーの組成

同レポート(2011年のBooz&Co.の調査)によると、イノベーティブな企業のイノベーション戦略は既存事業と全体戦略との整合性が取れており、企業全体でイノベーションを推進し積極的に新規事業に挑戦するカルチャーが醸成されているそうです。

また驚くことに、これらの企業は、他企業に比べ企業価値が30%高く成長したそうです。イノベーションを推進しそのイノベーションが全体戦略と整合性が取れている企業は今後も長期的に成長を維持ができると期待されています。

4 .両利きの組織構造

両利きの組織とは、同等のマネジメントの下で既存ビジネスと新規ビジネスで構造的に異なるチームを構えている組織のことを指しています。

ハーバードビジネススクールのマイケル・タッシュマン教授の調査は、両利きの組織構造を採用している企業は90%の確率でイノベーションに成功しているという驚きの結果を発表しています。一方でその他の組織構造を採用している企業イノベーションの成功確率は25%を超えなかったそうです。

調査のサンプルサイズは小さかったものの、このアプローチの有用性を裏付ける証拠が他にもあります。2017年のBCGグローバルイノベーション調査では、イノベーションに成功している企業の内77%のが両利きの組織構造を採用しており、イノベーションに弱い組織は25%の割合でしか両利きの組織構造を採用していなかったそうです。

5.オープンイノベーション

オープンイノベーションとはイノベーションのプロセスを一企業内に閉じたものではなく複数の企業・NGO・団体を巻き込んでオープンに事業開発・推進を進めることを指します。

同じBCG 2017の調査でも、イノベーティブな企業ほどオープンイノベーションを推進しています。イノベーティブな企業の内77%の企業はオープンイノベーションの必要性を感じており、自社開発だけでなく、他社との協業でイノベーションの成功確度を上げる施策打ち出しています。

6.収益性で事業推進の可否を決めない

BCG 2017の調査によると、イノベーションを成功に導いている組織は、プロジェクトの推進の可否を決める上で将来の収益性に左右されていないことが分かりました。収益性に左右されない組織は推進したプロジェクトの内22%のみが収益性を考慮に入れ、収益性に左右されやすい組織は平均的に75%がプロジェクト推進の可否を将来の収益性で決めているという大きな差が出ました。

大企業であれば、新規事業においても収益性を重視しまいがちですが、この考え方は逆に落とし穴になります。将来の収益性の前に重要な判断軸や判断基準があり、それを無視するということは、貴重なアイデアを捨て切るということで非常に勿体ないです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?前編(データからみる世界のイノベーション)に引き続きイノベーションをテーマにさまざまなレポートや調査結果を紹介しました。自社の新規事業とイノベーション戦略がうまくいかない課題と改善点を見つけ、成功に導くKSFを理解するのに役立ててみてください。

株式会社Relicでは新規事業創出やイノベーションの支援を行っています。新規事業が伸び悩んでいる方々に対しアイデア創出から実行まで伴走して支援していますので、気になる方は下記フォームから気軽にお問い合わせください。

ソース

Growth & Innovation

Innovation and commercialization, 2010: McKinsey Global Survey results

INNOVATION AND GROWTH
RATIONALE FOR AN INNOVATION STRATEGY

Companies That Put Tons Of Money Into R&D Aren’t More Innovative Than Those That Don’t

2018 Corporate Longevity Forecast: Creative Destruction is Accelerating

Clay Christensen’s Milkshake Marketing

Why Do Startups Fail? An Analysis of 3,200 High-growth Technology Startups

PwC’s Innovation Benchmark Report

The Rising Need for Innovation Speed

Radical Innovation and Growth

Innovation Should Be a Top Priority for Boards. So Why Isn’t It?

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