2023.12.22

ESG投資が注目されている理由とメリットを徹底解説

ESG投資が注目されている理由とメリットを徹底解説

年金不足等による将来的な生活資金の確保が求められるなか、長期的な資産運用が注目されています。しかし、「預貯金は金利が低く将来の資産づくりには適さない」「株式投資等はリスクが大きくて不安」などと感じている方は少なくないでしょう。

ESG投資は環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を重視した経営を行う企業の株式や債券などを対象とした投資方法で、長期の資産運用に適していると言われています。

今回の記事では、ESG投資に興味のある方に向けて、概要や今注目されている理由について詳しく紹介していきます。

ESG投資の概要

ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先を選別する方法のことです。ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言えます。

これまでの投資方法では、企業の業績(利益額や利益率等)や財務状況(負債額やキャッシュフロー等)といった財務情報が、投資を判断する上での主要な評価材料とされてきました。

しかし、最近では財務情報だけでは企業の持続性や長期的な収益性を図るのは不十分ではないかと考えられるようになり、ESGという非財務情報の要素を加えて投資判断されるようになりつつあります。

具体的には、環境面では温暖化防止や省エネ化等の環境負荷の軽減、多様性面では外国人社員の雇用、女性社員の幹部登用、コンプライアンス面では働きやすい職場環境の整備、社外取締役の積極的登用、などに取り組む企業がESG投資の対象となります。

ESG投資は、欧米を中心に広く浸透し、投資残高も年々拡大傾向にあり、公的年金基金などは、リスク管理の観点からESGを捉え、中長期的なフリーキャッシュフロー創出力など企業価値向上が期待できる企業を見極めることで、投資リスクの軽減に努めています。

ESG投資が注目されている理由

続いては、ESG投資が注目されている理由を解説していきます。

社会貢献につながっている

ESG投資での投資先は環境、貧困、人権、労働などの様々なESGの課題解決に取り組む企業です。ESG投資はその企業の社会的課題解決を後押しすることになります。

例えば、環境配慮に特化した事業の資金調達手段として発行される社債はグリーンボンド(Green Bond)と呼ばれ、その社債や投資信託などを購入することが環境に優しい行動につながります。

長期資金運用形成に向いている

テクノロジーやビジネスモデルなどの革新性が高い急成長企業への株式投資やFXなどでは短期的に大きなリターンを見込めますが、リスクも大きくなるため、投資初心者やリスクを抑えた長期投資には向いていません。

ESG投資は短期の大きなリターンを目指す投資方法ではなく、長期で安定したリターンを目指す運用となります。ESG投資ではESGの要素も投資の判断材料として加えられるため、リスクを低めに抑えつつ、長期的なリターンを確保していくのに適した投資方法と評価されています。そのため年金資産等を運用する機関やファンド(投資の基金等)などにも適しています。

GPIFには「年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、長期的な観点から、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目標とする」という投資原則があり、ESG投資はこの内容と合致します。

また、2015年の国連サミットでは、世界が様々な社会課題を解決して持続可能な発展を遂げられるように、新たな国際目標となる「SDGs」(持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals)が採択されました。その結果、世界の国や企業等が様々な環境問題や社会問題などの解決に向けて資金を投資し始めています。

つまり、ESG投資は、SDGs関連投資の需要を取り込むことが可能であり、社会貢献と同時に一定の収益の確保が期待できます。

安定した運用が期待できる

短期の利益追求型の企業に対する投資評価は、業績が良ければ大きく上昇し、悪ければ大きく下落しやすいのが特徴です。そのため、ESGに配慮しない企業への投資では、安定したリターンが期待しにくい傾向にあります。

一方、ESG投資では、投資対象となる企業の資産価値が長期的には変動しにくい傾向にあるため、投資家は安定した運用を実現しやすくなる可能性があります。

まとめ

ESG投資は短期で大きなリターンを狙う投資方法ではありませんが、長期的に安定した資産形成を実現しやすく、投資を通じた社会貢献にもつながります。

ESG投資の始め方としては、ESGに熱心な企業を投資先とするESG投資信託を購入する方法が手軽です。ESG指標を参考にして自分で投資先を探し選定することも可能ですが、ESG投資信託の販売先を通じて購入すれば自分で探す手間などを省くことができます。

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