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2018.7.13

新規事業の撤退ラインはどう決める?その事例を紹介します

新規事業は、スタートダッシュを切るよりもストップをかけることの方が難しいと言われています。「もうだめだ」「まだできる」といったボーダーラインはどこで引けばよいのでしょうか。今回は新規事業の撤退ラインをどこで決めるべきなのかについて、これまでの主な事業撤退理由や各社の撤退ラインなどを紹介していきます。

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新規事業を撤退する主な理由

立ち上げた新規事業からの撤退は、さまざまな背景があってこそ行うものです。では、新規事業を撤退する主な理由とは一体どのようなものでしょうか。ここでは代表的な5つの理由について言及します。

費用対効果が見込めない

いわゆるコストパフォーマンスの悪さが如実に表れたことにより、新規事業を撤退するケースです。抱える事業量が思いのほか莫大であったり、事業期間が予定よりも長期に及んだりすると、費用対効果が見込めず、事業を中止することになりかねません。

巨額赤字・負債

費用対効果が見込めないことにもつながりますが、立ち上げた新規事業が巨額な赤字や負債を出し続けてしまうと、利益や売り上げが見込めず、そのまま中止になることがあります。

2002年ユニクロの主要株主であるファーストリテイリングは、「SKIP」というブランド名で農作物、健康食品など非衣料品分野の販売に進出しましたが、黒字化の目処が立たず事業の継続は断念。2004年8月期に28億円もの特別損失を計上することとなりました。

競合企業の台頭

同業種である競合他社が台頭したことにより、自社の事業が衰退してしまうケースもあります。

携帯端末を製造するメーカーとして最古参グループのひとつであった三菱電機は、かつて日本の携帯電話市場のトップにいましたが、2000年代に突入して以降、シャープやパナソニック、東芝など、ライバル会社が台頭し始め、2007年度の国内携帯電話出荷台数では、シャープが25%のシェアなのに対し、三菱は10位以下である5%未満のシェアという結果になりました。実際、三菱電機は2008年3月に携帯電話事業からの撤退を発表しています。

不景気

バブル崩壊やリーマンショックなど、単純にモノが売れないという世俗的な不景気により、事業を撤退せざるを得ない状況に追い込まれることもあります。事実、2008年のリーマンショックにより、国内では日立グループがテレビのプラズマディスプレー工場を売却し、国内の薄型テレビ生産と携帯電話、パソコン用HDDから撤退するなど、少なからず影響はあったようです。

マーケティングの失敗

事業運営を行う会社側のマーケティング力の欠如が原因で、サービスや商品が衰退してしまうケースもあります。中でも有名なのが1985年に起きた「コーラ戦争」です。

1980年代当時、コカ・コーラとペプシはアメリカ2大コーラ企業として知られていました。互いにCM広告や宣伝などで負けじと自社PRを繰り返していき、コカ・コーラはホイットニー・ヒューストンやエルトン・ジョンソンを、ペプシはマイケル・ジャクソンやマドンナをCMに起用し、コカ・コーラと比較したポジショニング戦略を取って、「ペプシはコカ・コーラより美味しい」というフレーズを、テレビCMで放映していました。

コカ・コーラはもう古く、今やペプシの時代と言わんばかりの宣伝に、若者世代を中心に支持を集めたペプシの勢いは凄まじく伸びていきました。これに焦ったコカ・コーラは、1985年に旧来のものよりも甘味・爽快感を強めた「ニュー・コーク」を開発し、1886年から100年近く続いた伝統的な味を変えることに。ところが、新旧の味を併売せず、全てを新しいフレーバーに入れ替えたため、「昔の味を返せ!」と消費者から抗議が殺到、わずか3ヶ月で終焉を迎えました。つまり、コカ・コーラの新たな事業を、コカ・コーラ自身が潰してしまったということです。これは、長年の歴史において、”マーケティング史上最大の失敗”であると言われています。

 

積極的か?消極的か?

事業撤退には「積極的撤退」と「消極的撤退」の2種類が存在します。

積極的撤退

積極的撤退とは、まだ成長段階にある・企業として儲かっているうちに事業を撤退させることです。事業領域の最適化を図ることを目的に、利益や売り上げが順調だったとしても、戦略的に事業を手放すことに当たります。衰退しないうちに終わらせるべき、すなわち有終の美を飾るためのものでもあり、「未来に向けた部分的な撤退案」と呼ばれています。

消極的撤退

消極的撤退とは、赤字や不景気、競合企業の台頭、パートナー企業との対立など、やむを得ず事業を撤退することです。積極的撤退と比較して撤退ラインが難しく、すでに投入した経営資源に見切りをつけなければならないため、投入した時間や金額、顧客との関係性などを考えると、合理的な判断がしにくくなる場合があります。明確な将来像がないまま、ずるずると撤退させることを消極的撤退と呼んでいます。

 

撤退すべき事業の見極め方

新規事業から撤退するタイミングの見極めは大変難しいですが、貢献利益を確認することも一つの方法と言えるかもしれません。

貢献利益が黒字で営業利益が赤字

営業利益が赤字でも、貢献利益が黒字であれば、事業を撤退させる必要はありません。事業としての貢献利益が黒字であれば、今後の経営次第で営業利益の黒字化も期待できます。

売上拡大や直接経費のコスト削減によって、営業利益の黒字化が見込めるか否かを検討し、黒字化の見込みがあれば、経営改善を推し進めるべきです。逆に、営業利益の黒字化が見込めなければ、事業撤退をオススメします。

貢献利益が赤字

一方、貢献利益が赤字であれば、事業撤退を検討する必要があります。すでに売上拡大やコスト削減の余地がない状況であれば、即時撤退をするべきですが、貢献利益黒字化の見込みがあれば、事業撤退を一旦は保留し、経営改善に努めるのも遅くはないです。

貢献利益が赤字というのは、本業や他部門の利益を食いつぶしていることに当たるため、貢献利益の赤字=会社倒産のリスク拡大になります。一部門の貢献利益を放置した結果、会社全体が赤字に傾いてしまっては、時すでに遅しです。

 

有名企業の撤退ラインとは?

AmebaブログやMakuakeなどを運営している株式会社サイバーエージェントでは、『リリース後4ヶ月の時点で、コミュニティなら月間300万PV、ゲームなら月間1,000万円を超えなければ撤退』というルールを設けています。また、同社の代表をつとめる藤田晋氏は、かつて自身のブログで以下のようなことを綴っていました。

撤退基準を予め決めておくことは
ネットビジネスをやる上でものすごく
重要なことだと私は考えています。

ネットビジネスは先行メリットが大きく、
基本的にはローリスクハイリターンで、
新しい市場では経験を積んでおくこと
自体にも大きな価値があります。

それらの特性を踏まえれば、
致命傷にならない範囲の投資ならば、
できるだけたくさんのことに挑戦
したほうが賢明です。

それを可能にするのが、撤退ルール
なのです。

冒頭でも述べた通り、新規事業は始めるよりも終わらせる方が難しく、次の一手こそ当たるのではと、まるでギャンブル中毒者のようにずるずると撤退を先送りにしがちです。あらかじめ、”これを満たせなければ撤退する”とルール化しておけば、共同事業者も納得がいく撤退となるでしょう。https://ameblo.jp/shibuya/entry-11455423878.html

 

撤退ラインは最初から決めておくべき

いかがでしたか。今回は新規事業の徹底ラインについて考察しました。
新規事業は、成長見込みがあれば巨額な資金を投入でき、逆に見込みがなければ撤退するという潔さが必要です。「GO」か「STOP」の判断を冷静に行うためにも、事業を始める前から撤退ラインは明確に決めておかなければなりません。スタートダッシュを切るよりもストップをかけることの方が難しい新規事業において、撤退ラインを持つことは重要になりそうです。

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