プロダクトマネージャー必見!アジャイルな顧客理解を実現するマイクロサーベイについて解説!

新規事業開発はもちろんですが、プロダクトのリリース後も目標KPIへ到達するためには、ユーザー(顧客)の声を聴き、検証サイクルを回し続ける必要があります。今回は、その検証サイクルを高速で回すためにアジャイルな顧客理解を実現する、マイクロサーベイについてご紹介します。
マイクロサーベイとは
マイクロサーベイとは、webサイトやwebプロダクトを訪問した際に、そのサイトやプロダクト上に表示されるアンケートのことです。明確に定義されているわけではありませんが、アンケートの設問数は1〜5問程度と短いものとなっています。日本では、まだそれほど認知率や導入率は高くありませんが、Notionなど米国を中心とする多くの有名海外プロダクトに導入されており、海外では新規事業開発やプロダクトの価値向上の有力ツール(SaaS)として普及しています。導入することで大きく7つのメリットがあります。
▼マイクロサーベイの実際の表示イメージ(右端)
1.ユーザーの声をアジャイルに収集できる ユーザーフィードバックの収集方法は、インタビューやアンケート、行動ログの解析などがありますが、自社アセットを利用できても一定の時間と労力がかかり、有償サービスを利用する場合は安くない費用がかかります。一方、マイクロサーベイは、設問のテンプレートが用意されていることも多く、短時間で簡単にアンケートを作成できます。また、ユーザー属性やプロダクト上の行動でターゲティングできるため、ユーザーがプロダクトを利用しているその時に回答を収集でき、回答の質や回答率が高い傾向にあります。結果としてアジャイルな顧客理解を実現できます。マイクロサーベイの利用にも費用がかかりますが、Googleフォームなどを利用して独力でアンケートを実施するよりもコストは削減されるでしょう。
2.プロダクトの改善点を抽出できる ユーザーフィードバックを収集することで、受容されている点や受容されていない改善点を抽出することができます。特にリリースした直後でそれほどプロダクトのユーザー数が少ない時期は、少数のユーザーから高頻度でフィードバックを収集することが求められますが、マイクロサーベイはそれを容易に実現できます。深堀りのできるインタビューも有効ですが、インタビューは相手にとっても負担が大きいため、マイクロサーベイとの併用が望ましいのではないでしょうか。
3.NPSや満足度の定期測定で解約を防止できる マイクロサーベイではNPSや満足度の測定も可能です。NPSや満足度の低いユーザーの声を収集して、カスタマーサクセス部などに共有、ユーザーをサポートすることで解約の防止に寄与します。また、利用開始から間もないユーザーに満足度を尋ねることで、オンボーディングが上手くいっているか確認することもでき、カスタマーサクセス領域でも貢献が見込めます。
4.開発の優先順位を判断できる プロダクト開発は顧客の声がすべてではありません。顧客も自身の課題や要望を自覚していなかったり、課題解決や要望実現の最適な手段を知っているわけではないためです。しかし、検討材料の1つとして顧客の声が欠かせないことも事実です。ユーザーフィードバックを収集することで、どの機能の開発が最も優先順位が高いのか、根拠を持って判断することができます。
5.実装した機能の評価を可視化できる 実装した機能が全く使われなかったという経験はないでしょうか。開発チームが苦労して実装したにも関わらず、機能が使われていないことが分かると開発チームのモチベーションは低下します。マイクロサーベイで実装機能の認知率や使用率、機能に対する満足度が低いユーザーや機能を利用していないユーザーの声を集めることで、実装機能の評価やどうすれば機能を使ってもらえるのかヒントを得ることができます。結果として開発チームのモチベーションの維持・向上にも繋がります。
6.インタビュイーのリクルーティングが簡単にできる 「インタビューにご協力いただけますか」などのアンケートを配信して「はい」と回答したユーザーと日程調整することで、インタビュー対象者のリクルーティングが簡単にできます。アンケートにはAmazonギフト券プレゼントの説明なども記載することができ、都度メールで一斉送信している場合は、マイクロサーベイに置き換えることで、省力化することができます。
7.アンケートからサービスを案内できる 訪問したユーザーに対して、各種サービスの関心度などのアンケートを配信し、その回答結果によって適したサービスの案内をすることができます。マイクロサーベイは他のアンケートツールと同様、回答内容によって次に表示する設問を変えることができるため、ユーザーの要望にとって適切なサービスや料金プランを案内するなど、web接客にも活用することができます。
マイクロサーベイの必要性
マイクロサーベイは新規事業開発の担当者やプロダクトマネージャーにとって必須と言っても過言ではないサービスです。その背景を解説します。
新規事業開発・・・事業検証フェーズ 新規事業開発において重要な観点はたくさんありますが、その1つがスピードです。新規事業で使える資金やリソース、取り組める期間は限られているため、どれだけ早く仮説構築と検証のサイクルを回し、市場にフィットするプロダクトを生み出せるかが極めて重要です。また、スピードが遅いと他社に先を越されてしまいチャンスを逃してしまう恐れもあります。検証サイクルの高速化が求められますが、だからこそアジャイルなユーザーフィードバックの収集ができるマイクロサーベイが必要になるのです。MVP(Minimum Viable Product)の開発後はマイクロサーベイを導入するのが望ましいのではないでしょうか。
プロダクト価値向上・・・グロースフェーズ 事業検証を終えプロダクトをリリースした後は、顧客基盤や売上を拡大するグロースフェーズに移行します。プロダクト価値の向上と、[売上利益、満足度、LTV、解約率]などのKPIを追うことになりますが、このフェーズにおいても、どのような施策が目標達成に有効なのかは検証していくしかありません。そのためにはユーザーフィードバックの収集や顧客理解が必須になります。また、前述の通り解約の防止やLTV向上に対しても、マイクロサーベイは貢献するため、グロースフェーズにも欠かせないツールと言えるのではないでしょうか。
日本発のマイクロサーベイ3選
海外ではすでに一定数のマイクロサーベイサービスが存在していますが、日本ではまだそれほど市場にサービスがありません。この段落では日本発のマイクロサーベイを簡単に3つご紹介します。
①Seevoi:PdMのためのマイクロサーベイ
・ノーコードかつ精緻なターゲティング
・導入は数行のコードを貼るだけ
・設問テンプレートあり
・無料トライアルあり
・料金プランは非公表
②タナカさん:顧客の”動機”を可視化する分析ツール
・toCサービス向け
・1000万人を超えるアンケート回答者パネルと連携
・設問テンプレートあり
・無料トライアルあり
・料金は29,800円/月〜
③Flyle Survey:エンドユーザー調査をもっと早く、簡単に
・2023年2月現在はクローズドβ版
・「Flyle」というプロダクトマネジメントSaaSを主力として提供中
まとめ
マイクロサーベイについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。米国で普及したプロダクトは日本でも普及するケースが多いですが、マイクロサーベイも正にそうなのかもしれません。アジャイルな顧客理解を実現するマイクロサーベイは、新規事業開発やプロダクト価値の向上に大きな恩恵をもたらします。この機会にご利用を検討してみてはいかがでしょうか。この記事が新規事業開発の担当者やプロダクトマネージャーの一助となれば幸いです。
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