マーケティングオートメーションとは? メリットや国内の事例を紹介します
マーケティングオートメーション(英: Marketing Automation)という言葉をよく耳にする昨今。Googleトレンドによると、2014年5月頃から日本でもよく検索されるようになっていますが、アメリカでは2007年頃から注目を集めているワードなんだとか[1]。では、このマーケティングオートメーションとは、一体どのようなものなのでしょうか。早速見ていきましょう。
Contents
マーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーションとは、その名の通り「マーケティング(顧客開拓)」を「オートメーション(自動化)」することです。リードと呼ばれる見込み客の獲得から始まり、ツールを用いて営業マンに質の高い顧客リストを送り、一貫して管理・自動化・最適化する施策のことを指します。
これからのデジタルマーケティングにおいて成果を上げていくには、顧客一人一人に対して、最適なコンテンツを最適なタイミングで提供することが求められます。しかし、莫大な業務負荷を考えると、一人一人に対して最適なコミュニケーションを図っていくのは、人力では不可能です。そのため、業務をシナリオ化し、マーケティングオートメーションを用いてルーティンワークを自動化し、施策の向上を図る必要が出てきます。
たとえば、とあるECサイトに訪れた数人の潜在顧客が、A商品をカートに入れたが購入しなかったとします。購買意欲はあるものの、購入には至らなかったその人たちに対し、企業側はリマインドメールを送付します。すると、そのうちの何人かはリマインドメールを見て購買に至りましたが、残りの人たちはメールを開封しただけで購買しませんでした。そこで、メールを開封したものの購買しなかった人たちに対し、ディスプレイ広告を出稿。それをクリックしたものの購買に至らなかった場合、今度は再びオファーメールを送付します。それでも購買が行われなかったら、その時点でアプローチは終了です。
マーケティングオートメーションが注目されている背景
では、マーケティングオートメーションが注目を集め市場規模を拡大している背景とは一体何なのでしょうか。アメリカの調査によると、BtoBおよびBtoCでは92%の企業ないし消費者が、購入前に商品やサービスについてネットで事前調査を行っているようです[2]。今や営業マンがリードに直接会うといった習慣がほとんどなくなり、顧客サイドも効率的な購買を目指すため、時間を割いて営業マンと会うよりも、ネット上のコンテンツで情報収集を行う傾向が高くなっています。こうした動きは今後ますます加速していくと考えられており、2020年頃には購買者と企業とのコミュニケーションのうち85%が対面なしで行われると予想されています[3]。
つまり企業側は、非対面のリードに対し、ニーズに沿った商品やサービスをいかに提供できるかが大きな課題となってきます。したがって、顧客開拓を自動化することを目的としたマーケティングオートメーションの導入が、今注目を集めているのです。
マーケティングオートメーションの効果
業務の効率化が図れる
マーケティングオートメーションを活用することで得られる効果として、最も大きなのが「業務の効率化」です。業務の中で繰り返し出てくる作業を自動化することにより、作業時間を格段に短縮することができます。また、人力作業では伺えた入力ミスやエラーなども削減でき、購買意欲の高いリードを見逃すこともなくなります。よって、本来かかっていた時間を、より多くのリード獲得やマーケティング戦略を洗練する時間に当てることが可能となります。
施策をシンプルにできる
マーケティングオートメーションの導入に従い、複雑な施策をシンプルに実行できるようになります。マーケティングで必要だった個別の専門ツールがまとめて使えるようになり、一つ一つの機能が使いやすいユーザインターフェースであることも特徴です。従来のように分厚いマニュアルを読み込む必要はなく、シンプルな内容で施策を実行できるのはメリットのひとつです。
マーケティングの質を向上させられる
リードの行動分析が難しかったこれまでと異なり、マーケティングオートメーションツールを活用することで一人一人のニーズにマッチした施策を自動的に選択できる、いわゆるOne-to-One型のマーケティングが可能となっています。それにより、リードをさらに有望な見込み顧客へと育成する「ナーチャリング」をより精度よく行うことができるようになりました
マーケティングオートメーションの活用事例
ファッション通販サイト
ファッション通販サイトを運営するA社は、オンライン事業での競争激化により、既存顧客からのリピート購入に伸び悩んでいました。既存顧客の再訪を促すべく、メールマガジンの配信に力を入れる方針を採用。顧客一人一人に合わせたOne-to-One型のEメールは、メール経由での来訪者数と売上を2倍にするという高い成果を叩き上げました。
学習塾
某学習塾を展開しているB社は、入会申し込みのチャンネルとしてWebサイトを運用しています。広告出稿によって多くのリードを獲得していましたが、ランディングページの内容が十分に最適化されていなかったため、Webサイトから離脱するユーザーが増えていくという問題を抱えていました。そこでB社はマーケティングオートメーションツールを導入し、訪問者の行動履歴をページ単位で詳細に把握するようにし、コース閲覧の有無、資料請求の有無などの条件によって、ユーザーの検討状況にあった情報を訴求できるようになりました。この結果、CVR(コンバージョン率)が9倍以上になるという大きな成果を上げることになったようです。
SaaS型サービス
とあるSaaS(Software as a Service)型サービスのC社では、フリーミアムモデルを採用していましたが、有料版への転換時にマーケティングオートメーションツールを活用。登録の際にメールアドレス、ニックネーム程度の簡単な情報を入れ、2回目以降のアクセス時にユーザーの役職や組織名を入力する仕組みを構築しました。これにより、顧客情報を少しずつ取得していき、その情報をもとにパーソナライズしたメッセージを配信。その結果、有料版への登録者数は15%増えたそうです。
まとめ
マーケティングオートメーションの効果的な活用方法は、それぞれの企業やターゲット顧客などによって異なります。そのため、すべての企業がマーケティングオートメーションを導入すれば成功するかと言われるとそうではありません。しかし、業務の効率化やマーケティングの質を向上させるために、マーケティングオートメーションは必要な存在となっています。今後自社でマーケティングオートメーションの導入を検討されている方は、ぜひ実施してみてはいかがでしょうか。
引用
- 日本のマーケティングオートメーション市場のこれから | Urumo!
- 8 Requirements for Powerful BtoB and BtoC Communities
- Gartner Customer 360 Summit 2011
参考資料
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