医療データ解析のサービス事例

近年では、インターネットの進歩により、医師個人の経験や勘に頼った医療ではなくデータを基にした科学的な根拠のある医療が進んでいます。そこで最も重要になるのが「医療データ解析:です。今回は、医療データ解析について、実際のサービス事例を交えて解説していきます。
Contents
医療データの活用方法
まずはじめに、解析した医療データをどのように活用していくのか解説します。
予防医療、早期発見
人は病院で診察すると、問診情報や検査結果、処方内容など様々なデータが蓄積されます。そうしたデータを参考にして、同じ症状の患者のデータを多く集めることにより、病気の進行具合や程度を判断したり、思わぬ部分での共通点を発見したりすることが出来ます。また、検査結果からシステムに登録されているデータに類似するものを画像解析で見つけだすことも可能となります。このようにして、データ解析により予防医療や病気の早期発見をすることが出来ます。
新薬開発
新薬開発は、膨大な開発経費が掛かる上に、成功率が極めて低いという問題を抱えています。医療データを活用することによって、新薬になりうる研究対象物を絞り込むことや、成功率を上げることが可能になります。その結果、新薬の開発効率を上げ、膨大な開発費用の削減をすることが出来ます。
問診情報や検査結果などカルテの記録
医療資料であるカルテの情報はこれまで共有されることなく一つの診療科で孤立していました。電子カルテに変更することで、各医療機関内や複数の医療機関が加入しているシステム内で医療情報を共有でき、一人ひとりの患者に最適の医療サービスが提供できる可能性が高まります。
一見すると関係ない病気でも、実はお互いに大きく影響し合ってしまう場合があります。例えば、糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病が糖尿病をさらに重症化させるリスクが高いことは既に医学的研究で分かっています。しかし、これまで内科と歯科では診療科が異なるため、カルテが共有されていませんでした。そのためこれまでは、気付かずに重症化してしまうリスクがありましたが、共有が可能になると、予防出来たり、原因を突き止めたりすることが出来ます。
医療データ解析に取り組む企業
JMDC株式会社
JMDCは、医療分野において、社会課題として取りざたされている「医療費の増大(2025年問題)」「医療の地域格差」「生活習慣病の増大」「労働力不足」といった問題に取り組んでいます。 個人の健康な生活のため、その結果としての持続可能な国民医療制度の実現のため、人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けています。
現在3つのサービスを行っています。
- 保険者支援サービス
主に健康保険組合に対して、紙・画像レセプトを含めたレセプトデータ、健診データ、台帳データ等をデータベース化した上で、保健事業においてデータを活用してPDCAを回すことを支援する様々なサービス。
- ヘルスデータプラットフォーム
保険者支援サービスを提供している健康保険組合に対して、JMDCが開発した健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)による個人向け健康ポータルサイトを運営しています。現在、PepUpの発行ID数は100万を超えており、PepUp上では様々な健康増進サービスを展開しています。
そしてこれらを通じて得た、二次利用許可のある医療データを用いた
- 医療データ解析サービス
600万人規模の医療データを構築し、製薬企業、研究機関、生損保企業等に提供しております。その解析したデータが、新たな医療サービスの開発や学術論文などに役立てられています。
メディカルデータベース株式会社
メディカルデータベース株式会社は医薬品情報データベースと、医療支援システムの開発・提供を通じ、医療の質向上を目指しています。
「MC=Valuation」という診療データの解析サービスを行っています。
これは、病院の診療データを預かり、医療ビッグデータをもとに統計レポートを提供するサービスです。診療データを活かし、薬剤の使用状況や、検査値コントロール状況などをエビデンスベースによりベンチマーク比較することが出来ます。さらに、医療現場にとって実用性の高い指標をレポートとして作成し、“薬剤師の観点による診療分析”を大きくサポートします。
このサービスはただデータを用いるだけでなく、薬剤師のやりがいアップと薬剤部門の院内での貢献度アップにもつなげることが出来ます。これにより、総合的に医療の質を向上させることが出来ます。
株式会社PREVENT
株式会社PREVENTが行う医療データ解析事業「Myscope」は⽣活習慣病・⾎管病発症リスクが予測できる医療データ解析サービスです。
健康保険組合が保有する健康診断およびレセプトデータから5年以内のイベント(脳⾎管疾患 or 虚⾎性⼼疾患の新規発症もしくは、⾼⾎圧、脂質異常症、糖尿病の新規治療開始)発⽣率を算出し、⾼リスク者と判定された⽅に対して重篤な疾病前に適切な対応を取ることが可能です。
まとめ
昨今は、アップルウォッチに血中酸素を測る機能が付いたりなど、医療ビックデータは急激に進歩しています。また、コロナの影響も重なり人々の健康への意識もあがっています。そのため、まだまだこれからも伸びていくでしょう。
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