2023.12.13

リベラルアーツ(一般教養)とは?意味と必要性について解説

リベラルアーツ(一般教養)とは?意味と必要性について解説

『リベラルアーツ』という言葉を聞いたことがあっても、いまいち内容が理解できていないという方も少なくないと思います。今回はそんな、リベラルアーツについて、重要性や必要性などを混じえながらご紹介していきたいと思います。

リベラルアーツとは?

リベラルアーツ(英:liberal arts)とは、

自由7科(文法、修辞、論理、算術、幾何、天文、音楽)を基本とする「人を自由にする学問」を意味します。日本語では”一般教養”と訳されることが多く、最近ではリベラルアーツを看板にかかげる大学なども増えているようです。

リベラルアーツの歴史

リベラルアーツの歴史は古代ギリシアにまでさかのぼります。もともとは人間を呪縛から解放するための知識や、生きるために必要な力を身につけるための手法として認知されていました。

この概念は古代ローマになっても受け継がれ、言語系3学(文法・修辞学・論理学)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される、自由7科目として定義されています。

その後、自由7科目となったリベラルアーツの概念は、17世紀のイギリスを経由してアメリカに伝来。現在、リベラルアーツが学ばれているアメリカのリベラルアーツカレッジでは、少人数制による基礎的な教養と論理的思考力の習得をメインとしています。

リベラルアーツが必要な理由

リベラルアーツには大きく2種類が存在します。

  1. 自分に合った専門知識およびスキル
  2. 自分とは専門の異なる他社と協働する能力

現代社会で何かをなそうとする際、必ず異分野の人とチームを組んで取り組む必要性が出てきます。異分野の人がどのような発想を持っているのか、どのような考え方をしているのかを理解しながら、一緒に働けるキャパシティの幅広さが要求されます。

一般社会において、専門的な知識およびスキルに加え、他社とのコミュニケーションや協働で考える力が必要不可欠となるのは言うまでもありません。そうした中で、リベラルアーツという多岐に渡った教養を習得することにより、社会人に必要とされる応用のきいた力を養うことにもつながります。そうした社会に出ても大丈夫なように、リベラルアーツが教育の一環として、高校や大学などで導入されているケースが最近特に多いというわけです。

リベラルアーツを理解するには

前述の「リベラルアーツが必要な理由」と重複する箇所がありますが、リベラルアーツを理解するためには、大まかに捉えて以下の3つの軸を大切にしなければなりません。

  1. 専門的知識を持つ
  2. 専門外知識を持つ
  3. 教養を身につける

まず、過去の経験をもとに掴んだ膨大なデータと、自分が実行したいもののビジョンを照らし合わせ、実現可能なものに作り上げていくには何をしたら良いのかと考えることが重要です。専門的知識を根拠に決断することで、しっかりとした設計図が完成されます。

また、それに向けより大きな決断を下したり形を具現化させたりするために、専門分野と共に専門外の知識も動員し、しっかりとした根拠を基に軸を持たなければなりません。

これに加え、人間の思考の軸の根本を養う教養を持つことで、抽象的なことを論理立てて証明できたり、ビジネスで起こるさまざまな事象のつながりを読み取ったりできる能力が養われます。

すなわち、これら3つの軸を持っていれば、ビジネスパーソンとして新たに開拓する領域にもチャレンジすることができ、それを実現化させられる可能性も大いに上がるということです。

リベラルアーツがもたらすこと

リベラルアーツの根本は”一般教養”です。リベラルアーツを身につけることによって生まれることは、主に以下の3つとされています。

  1. 創造力
  2. コミュニケーション能力
  3. リーダーシップ

AIの進歩が著しい昨今。将来的には現在人間が行っている仕事の多くが、AIに代替されてしまうと予測されています。しかし、AIは物事のやり方を覚えて正確に実行できるという利点がある一方、ゼロベースから物事を形成することは不可能です。0から1を作り出すクリエイティブな力は、リベラルアーツを身につけた人間にしか勤まりません。

また、AIはあくまでロボットに等しいものであるため、仕事の効率化を図ることはできても、感受性を持った人間同士の意思疎通は図れません。ビジネスパーソンとして活躍するためには、仕事上のスキルはもちろんですが、それ以前に”人間力”が求められます。人間力は、いかほど一般教養を持ち合わせているかによって左右されることもあるため、リベラルアーツを身につけることで、コミュニケーション能力を養うことも大いに可能です。

コミュニケーション能力のほかにも、AIやロボットは他人を導いていくリーダーシップは図れません。リベラルアーツを身につけることによって、人間同士の円滑なコミュニケーション能力が向上し、ひいてはリーダーシップを養うこともできます。

まとめ

近年、AIやIoT、ビッグデータなどのコンピュータサイエンスがますます進化しており、従来人間が行っていた作業を機械が網羅する時代へと突入しています。そんな時代だからこそ、人間にしか発揮できない能力や知識が必要です。リベラルアーツを身につけることで、創造力やコミュニケーション能力、リーダーシップなど、人間だからこそ手にできる力を蓄えてみてはいかがでしょうか。

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