2023.12.20

サブスクリプションモデルを成功させるコツ

サブスクリプションモデルを成功させるコツ

近年ビジネスの世界でたびたび注目されている『サブスクリプションモデル』。

ビジネスモデルの1つで、利用者が直接モノを買い取るのではなく、モノの”利用権”を借りて利用期間に応じた料金を支払う方式のことを指します。コンピュータのソフトウェアの利用形態として採用されることも多いです。

では、そんなサブスクリプションモデルをビジネスとして成功させるためには、一体どのようなコツが必要なのでしょうか。そこで今回は、サブスクリプションモデルについて、メリットやデメリット、事例などと共に詳しくご説明していきたいと思います。

サブスクリプションモデルについて

サブスクリプションモデル(英: Subscription Model)とは、提供する商品やサービスの数ではなく、利用期間に対して対価を支払う方式です。多くの場合、定額制と同じ意味で用いられます。

主に音楽などのコンテンツ配信サービスにおいて用いられており、1曲ごとに販売・課金するのではなく、一定期間の定額料金を支払えば、その期間は何曲でも聴けるといった利用形態です。

なぜサブスクリプションモデルが注目されているのか

そんなサブスクリプションモデルが注目されている背景について見てみましょう。

使用価値の増大

まず、生活者の価値観が「所有価値」から「使用価値」に変わったことが挙げられます。

顧客は所有することよりも、使いやすいことを選択基準に定めており、従来のような製品販売型ビジネスでは対応が難しくなってきています。高額な商品を購入し、長く使い続けるよりも、自分のライフステージに沿った商品を使うことで、価値観を見出す人が増えています。

こうした生活者による所有価値から使用価値へと価値意識が変化したことが背景の一つです。

スマホの普及

スマホの普及および通信回線の高速化・安定化も挙げられています。

サブスクリプションモデルは、音楽や動画などのエンタテインメント領域において特に著しさを発揮しており、いつでもどこでも手軽に楽しめる環境が整ったことが大きな要因と言えます。

カスタマーサクセスの実現

マーケティング分野に関しては、カスタマーサクセスを実現できたことが挙げられます。

カスタマーサクセスとは、継続率とLTVを最大化することをミッションとすることです。サブスクリプションモデルでは、顧客が商品やサービスを購入したらそこで終わりというわけではなく、継続的に利用し続けてもらうことで利益が生まれます。

すなわち、既存顧客をどれだけ満足させることができるかという部分に焦点を当てる必要があり、顧客とのより良い関係性をサービス全体を通じて提案し続けることが重要となってきます。

サブスクリプションモデルのメリット・デメリット

続いて、サブスクリプションモデルのメリット・デメリットについてそれぞれ見てみましょう。

メリット

初期費用無料

ソフトウェアを導入するのには高額な初期費用がかかってしまいます。しかし、サブスクリプションモデルでは、トライアル期間が設けられており、最初の1ヶ月間は”無料”で試すことが可能です。使用してみて合わないと感じたら途中で止めることもできるため、固定のソフトウェアを設けるよりも利用者にとってかなりやさしいものとなっています。

安定的な収益が見込める

サブスクリプションモデルでは、顧客の利用状況に応じたプラン変更・キャンペーンなどを行っているため、長期的に利用継続を促せられれば、安定的な収益を見込むことができます。

顧客と良好な関係性が築ける

サブスクリプションモデルでは、継続的な利用によって顧客との良好なコミュニケーションがとりやすく、それに基づいた顧客価値を高めるサービスの提供が行いやすい特徴があります。

デメリット

ブランド価値の低下

初期費用がかからないというメリットがある一方、安価で購入できる分、安物と見なされてしまいがちです。そのため、ブランド価値の低下につながるケースも否めません。

値上げの可能性

サブスクリプションモデルでは、契約更新時期などのタイミングによって値上げされる可能性もあります。また、定額からオーバーした分を賄うためのコストが発生することもあるようです。

飽きられるかもしれない

顧客価値に合わせたサービスがますます増えているなか、顧客に飽きられて解約されてしまうリスクもあります。継続してもらうためにも常にフレッシュなサービスが要求されます。

サブスクリプションモデル事例

サブスクリプションモデルには、国内外あわせてさまざまな業種で導入されています。ここでは代表的な4つのサービスについて紹介していきます。

音楽配信サービス

「Apple Music」や「Spotify」、「Google Play Music」や「AWA」など、数多くの音楽ダウンロードサービスにおいてサブスクリプションモデルが導入されています。最初の1ヶ月〜3ヶ月は無料で試すことができ、その後月額540円〜980円を支払うことで、オフライン再生で曲数制限なく聴き放題です。

動画配信サービス

「Amazonプライム・ビデオ」や「Netflix」、「Hulu」など、動画配信サービスもサブスクリプションモデルを導入しています。映画・ドラマ・スポーツ・アニメ・ドキュメンタリーなど、幅広いコンテンツを月額料金で視聴することが可能です。

飲食サービス

ガッツリ系本格ラーメン「野郎ラーメン」では、「1日一杯野郎ラーメン生活」というサブスクリプションモデルを導入しており、月額8,600円で、豚骨野郎(780円)、汁無し野郎(830円)、味噌野郎(880円)の3種類を楽しむことができます。豚骨野郎であれば1ヶ月に12杯食べると、元が取れるそうです。

また、アンドモワ株式会社は、居酒屋での新しい楽しみ方として、「月額定額制飲み放題サービス」のサブスプリクションを導入しています。アンドモワ居酒屋30店舗にて、生ビールを含む全250種類のドリンクを、120分飲み放題で楽しめます。期間中での来店回数制限はないため、来店すればするほど飲み放題がお得になっていくサービスです。

美容サービス

「BLOOM BOX」や「RAXY」、「MY LITTLE BOX」など、世界中から厳選されたコスメ商品を受け取ることができるサブスクリプションモデルが、現在数多く実施されています。また、「MEZON」のような、一定の額を支払い続けるだけで美容室をお得に利用することができるサービスも提供されています。

成功に導くためには?

サブスクリプションモデルは、新規顧客の獲得ももちろん大事ですが、なによりも継続的にサービスを利用してもらうことが重要です。そのためには、先述の通り、顧客を”飽きさせない”ことが大切であり、常にフレッシュな体験が求められます。顧客のロイヤルティを高め、商品やサービスに対して愛着を感じてもらい、少しでも長く使ってもらうことがポイントになります。

そのためには、まず自社が運営する新サービスに”継続性”があるかどうかを検討することが前提として考えられます。たとえば、上記のような月額8,600円でラーメンがいつでも食べられるサービスはどうでしょう。月に何度もラーメンを食べる人にとっては需要がありそうですが、ラーメンをそれほど食べない人にとっては需要はありません。しかし、一見してモデルに適さないようなものであっても、サブスクリプションモデル化することで、新たなビジネスチャンスをもたらす可能性も十分にあります。

競合他社が行っていないサービスであれば、実践してみる価値は十分にあるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。サブスクリプションモデルは、いわゆる月額制や年会費といったようなもので、世界的にもさまざまな企業が実施しているビジネスモデルです。

みなさんも自社の商品やサービスで、サブスクリプションモデル に適したものがあれば、実践を検討するよう上司に提案してみてはいかがでしょうか。

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