2023.12.28

クラウドファンディングの失敗事例と炎上しないための具体的な対策方法とは?

クラウドファンディングの失敗事例と炎上しないための具体的な対策方法とは?

インターネット上で広く支援金を募ることができるクラウドファンディングは近年様々なプロジェクトが立ち上げられ、活用されています。

「だれでもプロジェクトを立ち上げることができる」というのもクラウドファンディングの魅力のひとつと言えますが、手軽さ故に利用の方法を誤ると批判を受けたり「炎上」してしまったりすることがあります。

今回はクラウドファンディングの失敗や炎上する主な原因や事例を紹介し、炎上を未然に防ぐ方法をお伝えします。

クラウドファンディングの失敗・炎上する主な原因

スマートフォンの普及により、クラウドファンディングで炎上した場合、SNSによって拡散されやすく、プロジェクトが炎上してしまうと急速に拡散されてしまう可能性があるため注意が必要です。

それではクラウドファンディングにおいて失敗・炎上する主な原因を紹介します。

集めた資金を私利私欲に使用する

クラウドファンディングにおいてユーザーに支援していただくためには、

「共感」を呼びかけ「このプロジェクトを応援したい」と思っていただく事が重要です。

私利私欲を目的に、クラウドファンディングで「資金調達」をしようとしては「共感」を得ることは難しく、逆に「資金」が集まりづらくなる傾向があります。

特に社会貢献性の高いプロジェクトが多い寄付型クラウドファンディングでは、「私利私欲で資金を調達している」とユーザーが感じてしまうと、SNSで拡散され炎上してしまう可能性があります。

著作権の問題や遅延などリターン内容に問題がある

クラウドファンディングにかかわらず、著作権・特許権・商標権の侵害に該当するコンテンツを利用することはできません。

一般的に、クラウドファンディングサイトの運営者がプロジェクトの著作権・特許権・商標権にかかわる知的財産権の侵害をしている内容がないか確認していると言われています。

しかし、運営者が知的財産権の侵害を全て確認する事は難しく、何かしらの知的財産権を侵害している状態でプロジェクトが公開される可能性はあります。

訴訟リスクもありますので、プロジェクトの開始前に念入りに確認する必要があります。

お金がどう使われたかの明細が不明

寄付型クラウドファンディングでは、災害支援や社会課題などの取り組みに必要な資金調達を目的に、起案者がユーザーからの支援を「寄付」として受け取ることが可能です。

こういった公益性の高いプロジェクトでは、ユーザーが「寄付をした資金が何に使われているのか」を確認する傾向が強いと言われています。

集めた資金の用途が不明確では、私利私欲で資金調達を行ったとユーザーが感じ取ってしまう可能性があります。

そういった誤解がプロジェクトの炎上を招いてしまう恐れもあるので、集めた資金の用途は明確に記載しましょう。

ユーザーのニーズを把握できていない

クラウドファンディングでは、ユーザーのニーズに合わないリターンを設計してしまった事で、

失敗してしまうプロジェクトが多いと言われています。

また、既に影響力が高くコアファンも多いインフルエンサーの方でも、ユーザーの興味があまりないジャンルの商品やサービスをリターンに設計してしまい、プロジェクトが失敗に終わってしまった事例もあります。

クラウドファンディングでの失敗・炎上事例

進化するIoTスマート照明「onia」

https://www.makuake.com/project/onia/

onia(オニア)はスマホアプリでコントロールすることが可能なLED照明です。

oniaは優れた機能を有していますが、ターゲットを絞り込んでいない状態でプロジェクトが公開となってしまいました。

そのため、プロジェクト公開期間中に適切なPRやプロモーションを行えず、目標金額に満たない結果となってしまいました。

超小型ドローン「ZANO – Autonomous. Intelligent. Swarming. Nano Drone.」

https://www.kickstarter.com/projects/torquing/zano-autonomous-intelligent-swarming-nano-drone/faqs?lang=ja

超小型ドローン・ZANO(ザノ)は、スマホと接続する事で写真や動画の撮影が可能です。

そのビジュアルの魅力や性能の高さなどから、15,000台の注文が集まりました。

ところが、出荷されたのは操縦がまともに出来ない600台のみでした。

さらに、超小型ドローン・ZANOを制作した会社が倒産してしまった事から、ユーザーに対する返金の目処が立っておらず、不満の声が上がる結果となってしまいました。

洗剤なしで洗濯物がキレイに洗える「Crystal Wash 2.0: Clean Laundry with No Detergents」

https://www.kickstarter.com/discover

Crystal Wash 2.0(クリスタル・ウォッシュ)は、洗剤を使用せずに洗濯物をキレイに洗うことができる商品です。

しかし、プロジェクト公開後、発送日の遅れに対する、起案者の連絡不足など、さまざまな問題点が浮上してしまいました。

また、一部科学的根拠の裏付けが取れていない文章を記載してしまった為、

本当に効き目を発揮する商品かどうか物議を醸し、炎上してしまう結果となりました。

ヘルメット内側にナビ映像が出る「SKULLY AR-1」

https://www.rakunew.com/items/68771

SKULLY AR-1(スカリーAR1)は、GPSを搭載しているバイクヘルメットです。

プロジェクト終了後、創業者は「プロジェクトは資金難により頓挫してしまった」と世間に公表しましたが、創業者が、集めた資金で高級スポーツカーを購入するなど私利私欲で使用していた事が発覚しました。

また、出資者に返金対応をしていない事もあり、炎上となったプロジェクトです。

多機能クーラーボックス「Coolest」

https://sakidori.co/article/4594

Coolest(コレスト)は、LEDライトやBluetoothスピーカーなどの機能を搭載したクーラーボックスです。

プロジェクト公開後、販売金額に対し、原価割れをしていた事が判明しました。

最終的に、起案者は「追加で10,600円を出資した人にのみ届ける」と発表し、炎上してしまいました。

クラウドファンディングで失敗/炎上/トラブルを防ぐ7つの方法

支援金の使い道は明確にする

クラウドファンディングでは、支援金の使い道を明確にする事が重要です。

集まった資金の用途が不明確なままでは、支援者は起案者に「不信感」を抱いてしまうかもしれません。

そういった「不信感」が炎上を生んでしまう可能性もあるので、集めた「支援金」の使い道を明確化することで未然にトラブルを防ぐ事ができるかもしれません。

頻繁に活動報告をする

クラウドファンディングを行う上で、製品/サービスを取り巻くストーリーを伝える事で、

「誠実さ」をユーザーに伝えることができ、プロジェクトの失敗や炎上を避ける事が出来ると言われています。

特に寄付型クラウドファンディングのプロジェクトでは”活動報告”をしなければ、支援者は起案者に不信感を抱いてしまうかもしれません。

活動報告の内容に関しては、資金の用途や支援者に対し感謝の気持ちを記載しましょう。

プロジェクトページの質を上げる

ユーザーはプロジェクトページから、資金調達の「目的」や「背景」を読み取るので、

プロジェクトページの質が低いことはプロジェクトの失敗に繋がりやすくなります。

プロジェクトページには、商品やサービスの独自性だけではなく、プロジェクトを始める事になったキッカケなどを記載する事で、ユーザーが安心して商品を購入できる可能性が高くなります。

余裕のある生産スケジュールを立てる

近年、コロナなどの影響により、生産スケジュールが遅れてしまう事があります。

消費者庁が公開しているクラウドファンディングにおけるトラブル事例のなかでも、全体の4割が「提供時期が遅れた」という生産スケジュールや納期に関する部分です。

あらかじめ納品スケジュールに余裕を持つ事で、そのようなトラブルを未然に防ぐ事ができます。

検品体制の整備

発送前に検品を行う事により、下記のようなトラブルを回避できます。

  • 不良品の製品が届いた
  • 梱包の状態が甘い
  • 説明と違う製品が届いた

こういったトラブルをキッカケに大きく炎上してしまうこともあるので、製品発送前の検品体制はきちんと整えることが重要です。

返金対応の準備

起案者と支援者との間でトラブルが発生した場合、返金を求められるケースがあります。

その際、起案者側で返金対応できなければ、訴訟リスクも上がってしまいます。

そのため、最悪のケースを想定し、あらかじめ返金対応も想定してみてはいかがでしょうか。

景品表示法などの確認

一般的なECサイトと同様、購入型クラウドファンディングでは、景品表示法や薬機法を考慮しプロジェクトを行う必要があります。

※薬機法に違反してしまった場合、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金」の罰則があります。

プロジェクトの公開前に、クラウドファンディング運営者による審査もありますが、

景品表示法や薬機法に抵触してしまうような虚偽および誇大な表現には注意する必要があります。

実際にクラウドファンディングでトラブルが起きてしまった場合の対処法

①運営者に相談する

不特定多数の支援者から資金を調達するクラウドファンディングでは、起案者と複数人の支援者の間でトラブルが発生する可能性があります。

そういったトラブルでは、クラウドファンディングサイト運営者が第三者として間に入ることで、解決するケースもあります。

そのため、支援者とトラブルになった場合、まずクラウドファンディングサイト運営者に報告・相談をするようにしましょう。

②誹謗中傷や法的トラブルは弁護士へ相談する

クラウドファンディングでは、炎上によるSNSの拡散によって、当事者以外の方から誹謗中傷にあってしまう可能性があります。

SNSで拡散が起きてしまうと、誤解を招くような指摘や法律に違反するようなトラブルに発展する場合があるので、誹謗中傷を含むトラブルは場合によっては弁護士へ依頼することをオススメします。

まとめ

今回はクラウドファンディングの失敗や炎上する主な原因や事例を紹介し、炎上を未然に防ぐ方法をお伝えしました。

お伝えした方法で、炎上を未然に防ぎつつ、実際にクラウドファンディングでトラブルが起きてしまった場合は運営者や弁護士に相談することが推奨されます。

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