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2017.8.30

炎上してしまったクラウドファンディングのリターン事例

炎上してしまったクラウドファンディングのリターン事例

インターネット上で広く支援金を募ることができるクラウドファンディングは近年様々なプロジェクトが立ち上げられ、活用されています。
「だれでもプロジェクトを立ち上げることができる」というのもクラウドファンディングの魅力のひとつといえますが、手軽さ故に利用の方法を誤ると批判を受けたり「炎上」してしまったりすることがあります。とりわけ、重要になってくるのが支援者に対しての「リターン」だと思われます。
今回は炎上したクラウドファンディングの事例について、リターンに着目しながら見ていきましょう。

女子大生による、世界一周「夢バトン」プロジェクト

2015年2月、京都在住の児童教育を学んでいるという女子大生がクラウドファンディングサイトのひとつであるCAMPFIREを通じて「あなたの夢と世界中の子どもの夢をつなげたい」と題したプロジェクトを立ち上げました。目標金額は160万円。そのプロジェクトは次のようなものでした。3万円以上の支援者にスケッチブックを送り、その1ページ目に自分の夢と途上国の子供たちへのメッセージを書いてもらいます。そして立案者である女子大生がそのスケッチブックを持って世界一周をします。訪問先の発展途上国のこども達に、自分の夢をそのスケッチブックに書いてもらっていき、「夢のバトン」をつなげる、というものでした。旅の費用などをクラウドファンディングで支援してもらうリターンとして、旅先から持ち帰ったスケッチブックのコピーを支援者へ送るというものを設定し、写真展の開催も予定されていたそうです。

しかし、このプロジェクトは炎上してしまうことになります。そのきっかけは、集まった資金の使い道の内訳にありました。公表された内訳は『カメラ代に15万円、生活費に93万円、旅費に18万円』、など。プロジェクトの内容に関係のない、私的な支出のように見受けられます。発展途上国のこどもたちを利用して、ただ自分が旅行を楽しむための費用をクラウドファンディングで集めただけなのではないか、という批判を受けました。このプロジェクトのページには、「自己満足の企画で全く支援になってない」「他人のカネで旅行したいだけだろ」「貧困国の子供に何も還元されてない」「この女子大生にしかメリットがない企画」、といった厳しい意見が殺到しました。

もうひとつ、炎上のきっかけがありました。女子大生は本名でこのプロジェクトを立ち上げていたため、プロジェクトに疑問を抱いたネットユーザーたちが女子大生のFacebookページを確認しました。すると彼女のFacebookページには「将来に悩んでいます。旅が楽しすぎて一生旅をしていたい」「一生遊んで暮らしたいと日々切実に願う」などといった文章が書かれており、ただ旅行がしたいだけの目的、と感じざるを得ない内容でした。その他にも、プロジェクトページに使われていた写真が全く関係のない他人の作品だったことや、卒業後の進路にも疑いがもたれるなど、「詐欺」といった見方までされるに至り、最終的に女子大生はプロジェクトの中止を発表しました。

クラウドファンディングのプロジェクトには、支援者に対して「魅力のあるリターン」があることが必要不可欠です。たとえ寄付型のクラウドファンディングであっても、資金が使われる目的が支援者にとって共感し、納得いくものなのか、ということが重要です。資金が発展途上国のこども達に還元されるようなプロジェクトのタイトルであったにもかかわらず、全く違う資金の使い方をしたところに炎上の理由があったのだと思われます。また、この事例の場合は特に社会貢献的な意味合いを打ち出したプロジェクトであったため、その私的な利用は「偽善」ととらえられ一層の批判対象になったのではないでしょうか。

人気YouTuberによるファッションブランド設立プロジェクト

モデルでもある人気YouTuberの「げんじ」さんは2017年1月、CAMPFIREにおいて、自身のファッションブランド「LIDnM」を設立するのに必要な資金をあつめるプロジェクトを立ち上げました。げんじさんは日本最大のファッションコーディネートサイト「wear」で、フォロワー数が30万人を超え、同世代の男性から特に高い支持を得ています。今までになかった「メンズファッション動画」というジャンルの動画を発信していました。そんなげんじさんは自分でもファッションブランドを立ち上げようと考え、ブランド名、ブランドのイメージ画などを発表し、資金を募りました。目標金額は100万円でしたが、それを大きく上回る338万円をわずか数日で集め、またサポーターの数はおよそ1,000人もいたといいますが、その後、数多くの批判が寄せられることとなりました。それはなぜでしょうか。

その原因のひとつは、発表したイメージ画が「MONKEY TIME」という他社のブランドの“トレース”ではないかと疑われたからです。比べてみると、デザインや恰好がほぼ一緒だったといい、トレースと言われても仕方のないレベルだったようです。トレースされたといわれるブランドを運営する㈱ユナイテッドアローズにも許可を得ていないことが分かりました。げんじさんは動画で謝罪しましたが、「自分ではなくデザイナーがやったことで、忙しくてそれに気づけなかった」というような責任逃れの内容だったといいます。

もうひとつの原因とみられているのは、「支援者がファッションコーディネートサイト「wear」のページに、好きなコーディネートを掲載できる権利」をwearの許可なくクラウドファンディングのリターンとして設定したということです。げんじさんは同サイトでの人気もあり、公式モデルを務めていますが、ユーザーのひとりに過ぎません。それにもかかわらず、「掲載権」を勝手に利用してしまったのです。現在ではこのリターンは取り下げられ、プロジェクトのページにも謝罪の文章が掲載されています。

この事例では、許可をとらずに他社のデザインや掲載権を自身のクラウドファンディングに利用してしまったことに問題があり、これはコンプライアンス違反と思われます。実体のないネット上での活動であるからこそ、プロジェクトそのものにも、リターンにも「透明性」が必要不可欠でしょう。

まとめ

以上、クラウドファンディングで炎上してしまった事例について紹介しました。この2つの事例は特に「激しく」炎上したケースとして知られていますが、他にも小規模な炎上をして失敗に終わっているプロジェクトはいくつもあります。支援者の共感を得られるようなプロジェクト内容やリターンであるか、ということを常に意識してこそ、クラウドファンディングが活かされるのだと思われます。


参考

ビジネスジャーナル:
http://biz-journal.jp/2017/05/post_18934_2.html

田中友紀子ページ:
http://ja.yourpedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%8F%8B%E7%B4%80%E5%AD%90

ENjiNEブログ:
https://enjine-blog.mixh.jp/articles/857

Campfire:
https://camp-fire.jp/

 


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