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2019.1.21

『D2C』とは?事例と共に説明します。

『D2C』とは?事例と共に説明します。

『BtoB』や『BtoC』といった、既存の取引形態を表す言葉には収まらない新しい取引の形として、『D2C』という新しいビジネスモデルが近年増えています。一体どのような意味なのでしょうか。今回はそんな『D2C』について詳しく解説していきます。以下をご覧ください。

D2Cとは?

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、”消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み”のことを指します。すなわち、自社で企画・製造した商品を、ECサイトなどの自社チャネルで販売するモデルのことです。

一般的に企業は、自社商品を小売店に並べて販売するケースが多いです。たとえば、Appleが開発したiPhoneは、Apple Storeなどでも直接販売されていますが、3大キャリアのdocomo、au、SoftBankがおおよその販売経路となっています。このように、自社商品を販売するためには、他社を介して売るケースがほとんどです。

ところが近年、自社商品を他社を介さずに自社チャネルにて直接販売するケースも目立っています。最近ではアパレルや美容関係などが、D2Cを展開している企業としては多いです。

BtoB、BtoCとの違い

BtoBやBtoCは、「誰と誰の取引であるか」を明確にした取引形態を表します。BtoBなら企業が企業に向けて提供するサービス、BtoCなら企業が一般消費者に向けて提供するサービスです。

D2Cも取引形態を表す言葉という意味では変わりませんが、「誰と誰の取引であるか」を示すものではありません。どのように取引をするか、一般消費者に商品をどのように届けるかを表しています。

D2Cは、Directという言葉の通り、流通業者といった他社を介さず、自社で企画・製造した商品を、自社チャネルで直接販売する業態を表します。

なぜ注目を集めているのか

D2Cは近年注目を集めだした言葉ですが、新しい業態というわけではありません。

昨今注目を集めているD2Cは、デジタルでデータやサービスを提供する業態や企業を指すものではなく、アパレルなど実体のある商品を提供する企業です。

これまで商品を一般消費者の手に届けるためには、複数の他社が介入する必要がありました。しかし、実体を持つ商品を扱う業種において、「自分たちで作って自分たちで売る」といった形態をとっているため、新規性の高さなどから注目を集めているといえます。

D2Cがもたらすメリット

D2Cがもたらすメリットは主に以下の3つです。

  1. ビジョンや思想をきちんと伝えられる
  2. 顧客との関係構築
  3. 顧客データの収集

仲介業者を挟まずに、企画・製造・販売を自社だけで行うため、会社のビジョンやブランド思想などを何の介入もなく直接購入者に伝えることができます。オンラインストアでファッションアイテムを販売するアメリカの企業「Everlane」は、”徹底的な透明性”というブランドコンセプトを伝える手段として、販売時に原価率や工場のすべてオープンにしました。これはまさに、D2Cならではのブランディング戦略であるといえます。

企画・製造に加え、販売も自ら行えるため、顧客との関係構築の機会を増やすこともできます。販売する時だけでなく、ブランドについて知ってもらう段階からスタートし、発送中のやり取りや、返品の際のオペレーションなど、顧客との関係は総合的に築かれていきます。

上流(ビジネス)から下流(システム)までを扱うことで、より細かな顧客データの収集および蓄積を行うことができ、さらに新商品開発にも活かしやすい環境を設けることが可能です。

D2Cの成功事例3選

ここではそんな、D2Cの成功事例について3つほど紹介していきます。

Glossier(グロッシアー)

▲画像出典:Makeup, Glossier Makeup Products | Glossier

ニューヨーク発のコスメブランド「Glossier」。日本ではまだあまり馴染みのないブランドですが、D2Cの成功事例としてとても有名です。

Glossierの創業者 エミリーワイズ氏は、ファッション雑誌のスタイリングアシスタントとしての経験をもとに、2010年からファッションブログを運営し、月間140万人が訪れる人気サイトとなりました。ブログサイト

エミリーさんのブログにはコスメ好きの熱狂的なファンが多く閲覧しており、ブログ創業から4年が経った2014年には、ブログユーザーがサービスサイトにも訪れ始めました。単にブログで100万人以上のユーザーを集めたのではなく、コスメ好きのリード客の囲い込みに成功していることが分かります。

Warby Parker(ワービー・パーカー)

▲画像出典:Warby Parker: Glasses & Prescription Eyeglasses

ニューヨーク発のアイウェアブランド「Warby Parker」。D2Cという業態の先駆者として、小売販売にイノベーションを巻き起こしたブランドといわれています。

2010年にペンシルバニア大学に在籍していた4人の学生が創業した同メーカーは、5年後の2015年にFast Company誌上で、”世界で最もイノベーティブな会社”に選ばれました。

その背景として、圧倒的なコストパフォーマンスとD2Cという革新的なビジネスモデルが評価されています。その革新性はFOR BUILDING THE FIRST GREAT MADE-ON-THE-INTERNET BRAND:インターネットから生まれた最初の優れたブランドと紹介されたほどでした。

Quip(クイップ)

▲画像出典:quip | Perfect Oral Care. Delivered

電動歯ブラシの定期購入サービス「Quip」。顧客データを管理することで、丁寧なフォローアップを行っている企業でもあります。

Quipは、月額$25(約2,800円)のサブスクリプションモデル で電動歯ブラシを販売しているサービスでありながら、デンタルケアのエコシステムを構築した点が注目を受けています。

Quipの商品を購入したユーザーは、提携歯科医のもとで、定期的に歯のチェックやクリーニングなどを受けることができます。本来、アメリカの歯科医保険は、国民皆保険の必須項目に入っていないため、追加料金が取られるのですが、Quipはこの問題を解決しました。

オンラインで管理する顧客の購入データと、歯科医によって治療を受けた際に収集したオフラインデータを紐付け、新たな商品提案やチェックアップの最適なタイミングを通知できるシステムを導入し、顧客を誘導することに成功しました。

まとめ

さて、今回はD2Cについて解説しました。いかがでしたでしょうか。

D2CはECサイトのような自社チャネルで直接販売するため、創業者が接客や販売の職に就いた経験がないという人も珍しくはありません。

長年存在した、経営は実績がある人が行うものといった風習から逸脱し、いわば”誰でも実行可能”なビジネスモデルとして認識されています。

現代のテクノロジーを大いに活かした最適なシステムをゼロベースから創り上げることができるD2C。既存の流通システムとは大いに異なる点であるといえます。

参考資料

5つの海外事例から学ぶ、D2Cをあえて選ぶ3つの勝ち筋 | FastGrow

Direct to Consumer (D2C) 躍進の理由と大企業のジレンマ|btrax

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