2024.3.13

キャズム理論とは?イノベーター理論から見るキャズムと、キャズムの乗り越え方を徹底解説

キャズム理論とは?イノベーター理論から見るキャズムと、キャズムの乗り越え方を徹底解説

製品は、いつも同じように売れるわけではありません。
初めは成功していたものが突然売れなくなる……ということもありえます。
今回は、成功と失敗の分かれ目である「キャズム」について解説します。
キャズムについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

キャズムとは何か?

イノベーター理論から見るキャズム

イノベーター理論から見るキャズムの図

「イノベーター理論」は、新しい製品やサービスが市場に普及するまでのマーケティングに関する理論です。
市場を5段階に分け、市場が成長するにつれ顧客の層が変化していくことを示しています。
このうち、2つ目の流行に敏感な顧客層「アーリーアダプター」と3つ目のやや慎重に追従する顧客層「アーリーマジョリティ」の間に立ちはだかるのが「キャズム(深い溝)」です。
これを超えて顧客層を広げられなければ、製品やサービスは失敗に終わってしまいます。
「イノベーター理論」について詳しく知りたい方は下記の記事をご一読ください。

イノベーター理論とは?キャズム理論も合わせて徹底解説

キャズム の正体とは?

キャズム の正体とはずばり「新しいものへの不安」といえます。アーリーマジョリティは目新しさだけで飛びつくことはありません。
商品やサービスへの安心感や利益を求めているため、アーリーアダプターと同じ方法では心をつかむことができません。

キャズムを乗り越えるには?

アピールポイントを変える

前述の通り、アーリーマジョリティは安心感が選択の基準となっています。
そのため、製品の「売り」を目新しさから安心感に変えて行く必要があるといえます。

メインストリームであることを主張する

また、多くの人が存在を認知しているということも信頼感に繋がります。
そのため、雑誌や広告での宣伝で広く存在を知ってもらうのが有効であるといえます。
さらに口コミやレビュー等で情報を広めることで、多くの人がその商品やサービスを利用していることをアピールするのも有効です。
知人や有名なユーザー(アーリーアダプター)からの口コミであれば、いっそうその影響力は強くなるでしょう。

キャズムを乗り越えた例

現在人気の製品やサービスとなっているものも、かつては誰も知らない数多あるもののうちのひとつでした。
それらはどのようにしてキャズム を乗り越えてきたのでしょうか。
実例とともに見てみましょう。

ネスカフェ

ネスカフェアンバサダーの写真

出典:【公式】ネスカフェアンバサダー – オフィスコーヒーサービス

これは有名な例ですが、ネスカフェは「ネスカフェアンバサダー」の活用でキャズムを超えました。
登録してネスカフェアンバサダーになると、職場にコーヒーマシンを無料で置くことができます。
コーヒー代だけを支払うことで、オフィスの全員が色々な種類のコーヒーを飲むことができるようになります。
同じオフィスに勤めている人々は、周りの人がコーヒを飲む姿を見る中で徐々にネスカフェに対する信頼感や親近感を持つようになります。
さらに自分でも飲んでその味を確かめることができます。
つまり、安心感と自分にとって利益となる感覚の両方を得られ、新しい顧客への仲間入りを促すことになります

LINE

LINEのイメージ像

出典:LINE|いつもあなたのそばに。

LINEは、2011年に東日本大震災をきっかけとしてサービスを開始した、比較的新しいともいえるSNSです。
しかし現在のLINE利用率はTwitterやInstagramを大幅に超え、約8割に達しているという調査結果もあります。
日本で非常に広く利用されているSNSとなっています。
このLINEがキャズムを超えたのは、スマホの普及と同時にコミュニケーションツールとして周囲の人が利用を始めたからではないでしょうか。
手軽で周りの知人が使っているツールであったから、インストールしてみようという気持ちになったと考えられます。

キャズムを乗り越えられなかった例

一方で、革新的な技術を持ちながらもキャズムを乗り越えられなかった製品もあります。
その例を見てみましょう。

Apple Newton

Apple Newtonの写真

出典:Apple Newton

Apple Newtonは、1993年にAppleから発売された端末です。
この端末の強みは、手書き文字認識能力を備えていることでした。
手書き文字認識能力は現在においても比較的新しいといえる技術で、当時非常に革新的な技術であったことは間違いありません。
しかしApple Newtonは、実際にはそれほど普及しませんでした。
それは、Apple Newtonが高価で、手書き文字の認識能力がまだ荒削りだったことに起因しています。
初めは技術の目新しさで売れていても、製品やサービスに安定した品質を求めるアーリーマジョリティの選択肢には入らなかったと考えられます。

まとめ

どんな製品やサービスも、市場が成長する段階で必ずキャズムに遭遇します。
キャズムの存在を知り、そして乗り越え方を知ることで、しっかりと対処できるようになりましょう。

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