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2021.6.2

戦略立案に役立つ「クロスSWOT分析」とは?内容や活用手順をわかりやすく紹介します

戦略立案に役立つ「クロスSWOT分析」とは?内容や活用手順をわかりやすく紹介します

新規事業開発やマーケティングにおける市場分析に役立つフレームワークの「SWOT分析」。またこれに加えて、SWOT分析の結果をもとに戦略を立てる手法として「クロスSWOT分析」があります。クロスSWOT分析までを行うことで、事業戦略やマーケティング戦略の立案・検討を行いやすくなります。

そこで本記事では、「クロスSWOT分析」の概要や活用手順、事例などを紹介いたします。

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クロスSWOT分析の目的

クロスSWOT分析を行う最大の目的は、事業戦略やマーケティング戦略の立案・検討に活かすことです。

SWOT分析では内部環境と外部環境から、客観的に現状を把握することができますが、それだけでは有効な戦略立案にはつながりません。SWOT分析を活用した市場分析に加え、その結果をもとにしたクロスSWOT分析までを行うことで、戦略オプションが洗い出され、事業戦略やマーケティング戦略を検討しやすくなります。

そもそもSWOT分析とは

はじめに、クロスSWOT分析の前提となるSWOT分析について簡単に説明します。

SWOT分析は、内部環境である「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」、外部環境である「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの要素項目で、市場環境を分析できるフレームワークです。「SWOT」という名称は、それぞれの頭文字に由来しています。

表にまとめると、以下のように整理されます。

新規事業や既存事業を問わず、市場分析においては自社の強みに注目しがちです。しかし、事業の改善や方向性を検討するためには、多面的な分析が重要です。そこで、SWOT分析を用いることで、自社の事業機会を客観的に把握することができます。

クロスSWOT分析の概要

続いて、本記事のメインであるクロスSWOT分析の概要についてご紹介します。

クロスSWOT分析では、SWOT分析で洗い出した「強み」「弱み」「機会」「脅威」をそれぞれ掛け合わせます。それにより、下記のように各領域の検討観点が見えてきます。

①強み×機会:強みを活かしてビジネスチャンスを掴むためにどうすればよいか。
②強み×脅威:強みを活かして脅威の影響を抑えるためにどうすればよいか。
③弱み×機会:弱みを克服しつつビジネスチャンスを最大化するにどうすればよいか。
④弱み×脅威:最悪のシナリオを回避するためにどうすればよいか。

これらの項目で一度整理することで、戦略オプションを洗い出すことができ、事業戦略やマーケティング戦略の立案・検討をしやすくなります。

クロスSWOT分析では、強み・弱み・機会・脅威の軸で下記のようなマトリクスが成立します。

このように整理することで、「進出する」「防衛する」といった各領域の戦略の方向性が自ずと浮かび上がってきます。

クロスSWOT分析の活用手順

続いて、実際にクロスSWOT分析を行う際の手順について説明します。

ステップ1:SWOT分析

まずはSWOT分析から行います。強み・弱み・機会・脅威の4つの要素項目について、現時点における市場分析を実施します。

これらは一人で行うことも可能ですが、偏った分析にならないよう、できれば複数人でディスカッションを通じて洗い出していくと良いでしょう。またその際には、議論が広がりすぎたり、抽象的な議論に終始してしまうのを防ぐために、ゴールや目的を明確に共有するようにしましょう。

ステップ2:「SWOT」を掛け合わせる

SWOT分析をもとにクロスSWOT分析を実施します。それぞれの領域において検討すべき事項について説明していきます。

(1)強み(S)× 機会(O)
「強み×機会」領域は、自社の最大のビジネスチャンスとなるため、なるべく多く洗い出すことを心がけましょう。この領域では「進出する」ということが大きな方向性となります。自社の強みを活かしながら、市場参入やシェア拡大を狙うための方法を検討します。

(2)強み(S)× 脅威(T)
「強み×脅威」領域は、「防衛する」ということが大きな方向性となります。具体的には、強みを活かして脅威の影響を抑えるための方法を検討します。ここでは、競合が存在すること想定されるため、強みを軸にした「差別化ポイント」を構築することがポイントです。

(3)弱み(W)× 機会(O)
「弱み×機会」領域では、「強化する」ということが大きな方向性として考えられます。具体的には、弱みを克服しつつビジネスチャンスを最大化するための方法を検討します。市場環境そのものは好条件であるため、「強み×機会」に転化できるよう、自社の事業の改善策を洗い出します。

(4)弱み(W)× 脅威(T)
「弱み×脅威」領域では、「撤退する」ということが一つの方向性として考えられます。また最悪のシナリオを回避するための方法を検討します。この項目を事前に多く洗い出して備えておくことで、安心感を持って事業に取り組むことができます。

ステップ3:戦略を絞り込む

クロスSWOT分析のフレームワーク紹介においてはステップ2までで終わるのが一般的ですが、それぞれ洗い出した戦略・施策を同時に実行することはできません。実際にどの戦略オプションを実行に移すか、優先順位をつけて絞り込みます。

クロスSWOT分析を活用した事例

最後に、クロスSWOT分析を活用した事例を紹介します。

(1)マクドナルドの事例

まず、マクドナルドに関してクロスSWOT分析を行います。

SWOT分析
強み:世界的知名度を持つブランド、効率的な店舗経営
弱み:低価格による利幅の小ささ、安全性への不安
機会:高付加価値の商品の売れ行きが良い、個食化
脅威:他ファーストフード店との競争激化、健康志向

これらの項目を元にクロスSWOT分析を行います。

クロスSWOT分析を行った結果、例えば、世界的知名度を持つブランドという「強み」と高付加価値の商品の売れ行きが良いという「機会」を掛け合わせると高価格帯商品の開発などが考えられます。また安全性への不安という「弱み」と健康志向という「脅威」を掛け合わせると、食品の安全性に対する信頼の醸成が挙げられます。

(2)トヨタ自動車の事例

次に、トヨタ自動車に関してクロスSWOT分析を行います。

SWOT分析
強み:強固な財務体質、ハイブリッド車市場で地位を確立、生産効率の高さ
弱み:軽自動車生産への注力の低さ、国内販売の伸び悩み、ブランド力の低下
機会:新興国市場の拡大、環境意識の高まりと低燃費車の需要拡大
脅威:IT企業の参入、人口減少による市場縮小

これらの項目を元にクロスSWOT分析を行います。

その結果、例えば、強固な財務体質という「強み」とIT企業の参入という「脅威」を掛け合わせると、ベンチャー企業への投資による技術力の確保が考えられます。また軽自動車生産への注力の低さという「弱み」と人口減少による市場縮小という「機会」を掛け合わせると、アライアンスによる軽自動車の生産・販売という方向性が挙げられます。

まとめ

SWOT分析は、内部環境である「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」、外部環境である「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの要素項目で、市場環境を分析できるフレームワークです。
クロスSWOT分析では、SWOT分析で洗い出した4つの要素項目をそれぞれ掛け合わせます。ここまで行うことで、取るべき戦略や施策が立てやすくなります。
ぜひ、新規事業の戦略やマーケティング戦略を立てる際には、クロスSWOT分析を活用してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
・クロスSWOT分析とは?作り方や事例を紹介(テンプレート付)
 https://media.bizmake.jp/method/about-crossswot/

・SWOT分析とは? 事例から方法やコツ、注意点を解説
 https://keywordmap.jp/academy/swot/

・【事例に学ぶ】一番簡単なSWOT分析とクロスSWOT分析のやり方
https://conlabo.jp/swot%E5%88%86%E6%9E%90_%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9swot%E5%88%86%E6%9E%90-5386/

・新規事業立ち上げ時の悩み・課題を解決!市場分析フレームワーク「SWOT分析」とは?
 https://relic.co.jp/battery/articles/20318

・勝てる企業のマーケティングはここが違う!SWOT分析でマクドナルドとソニーの経営を分析してみた
 https://u-note.me/note/47494628

・Career Delight【企業分析】トヨタ自動車株式会社
 https://career-delight.co.jp/company-analysis/toyota-company-analysis/#heading4

・河瀬誠著『戦略思考コンプリートブック』(2003).日本実業出版社

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