2024.3.13

ジャベリンボードとは?新規事業開発のフレームワークを解説

ジャベリンボードとは?新規事業開発のフレームワークを解説

新規事業を立ち上げるためには、顧客の課題や解決策をはじめとする様々な角度からの仮説検証を通じて、ビジネスモデルを確立していくことが求められます。

しかし、精度の高い仮説検証を行うのは一筋縄ではありません。

新規事業開発の課題仮説の検証に役立つフレームワークが、「ジャベリンボード」です

本記事では、ジャベリンボードの概要と目的、活用手順について紹介します。

ジャベリンボードとは

はじめに、ジャベリンボードの概要について説明します。ジャベリンボードとは、アメリカのJavelin社が考案した、新規事業開発における課題仮説の検証に活用できるフレームワークです。

ジャベリンボードの別名は「Javelin experiment board」で、experiment(実験)とあるように、調査や実験の手段を考案し、検証の過程全体を管理する手法でもあります。

「顧客」「課題」「解決策」「前提条件」という4つの要素をもとに仮説を立て、実験や顧客との対話を通じて検証していきます。

ジャベリンボードの目的

次に、ジャベリンボードを活用する目的、活用によってもたらされるメリットについて確認していきましょう。

・仮説検証の質を高める
「顧客」「課題」「解決策」「前提条件」の4要素を扱うことで、総合的な仮説を立てることができます。また実験・調査等の検証手段を考えるのに役立つため、ジャベリンボード活用を通じて、精度の高い仮説検証を実現できます。

・仮説検証プロセスを管理する
新規事業開発では、仮説立てと検証が何度も続きます。何の仮説を検証しているのか、検証の状況はどうなっているのか等、ジャベリンボードで可視化することで把握しやすい状態を作ることができます。

・課題仮説の前提条件を明らかにする
課題仮説(顧客が抱える課題についての仮説)がどのような前提条件で成り立つかを洗い出し、検討するのに役立ちます。

ジャベリンボードの活用手順

続いて、ジャベリンボードの活用の仕方について、順を追って解説していきます。

出典:【プロが厳選】新規事業のためのフレームワーク6選。活用方法と注意点を解説

1. 顧客は誰か?

「顧客は誰か?」という問いについてチームでブレストします(5分間)。
その内、「最もらしい顧客」と考えられるものを一つ選び、「カスタマー」列に記載します。

「都内に住んでいる30代後半の男性」のように、具体的なペルソナにできると良いでしょう。

※ブレストとは、ブレインストーミング(brainstorming)の略で、複数の参加者が(付箋などに)多くのアイデアを出し合うことで、新しい考え方や解決策を出していく手法です。

2. 顧客の課題は何か?

1で選んだ顧客が抱える課題は何か、チームでブレストします(5分間)。
その内、「顧客の課題」を一つ選び、「問題」列に記載します。

選んだ課題によって解決策の方向性が定まっていくので、慎重に決めましょう。

3. 解決策は何か?

顧客と課題を設定したところで、「有効な解決策(ソリューション)」をチームでブレストします(5分間)。
その内、「有効な解決策(ソリューション)」を一つを選び、「ソリューション」列に記載します。

実際に妥当なソリューションであるかは、この後の検証で明らかにしていく(改善していく)ので、この時点ではゼロベースで考え、判断すると良いでしょう。

4. 前提条件は何か?

顧客・課題・解決策を設定した後、検証する前に「前提条件」を決めるのがジャベリンボードのポイントです。ここで言う「前提条件」とは、顧客・課題・解決策をひとまとめにした仮説が、どのような条件で成り立つかを指します。

例えば、「顧客は〇〇がなくて困っている」という課題仮説を設定したのに、実際には〇〇の代替品となるものが存在していた場合、この前提条件は成り立ちません。その場合は、別の前提条件への変更が必要となります。

前提条件についても、ブレスト等を通じて、一通りリストアップしてみると良いでしょう。
その際、「前提条件が崩れた時のインパクトの大小」「検証が必要か不要か(前提条件は自明の事実であるか否か)」の二つの軸でマッピングを行います。「前提条件が崩れた時のインパクトが大きく、なおかつ検証が必要な前提条件」を抽出し、「最も不確かな前提条件」列に記載します。

5. 検証方法・基準を決める

最後に、4で選んだ前提条件の検証方法と基準を決めます。
検証方法については、WEB検索等のリサーチで完結することもありますが、ターゲット顧客の声が必要な場合もあるので、その際はアンケートやヒアリングを実施すると良いでしょう。
検証基準は、なるべく定量的で明確な基準になるように心がけましょう。

ここまでの仮説検証プロセスを何度も繰り返し、精度を高めていきます。

まとめ

本記事で紹介したように、新規事業開発の仮説検証に役立つのがジャベリンボードです。ジャベリンボードを活用することで、仮説立て・検証の精度が高まったり、仮説検証プロセスを把握しやすくなったりします。

仮設検証を何度も繰り返し、改善を加えていくことが新規事業の成功につながります。

ぜひ仮説検証の際には、ジャベリンボードを活用されることをオススメします。仮説検証の方法やコストを最適化した進め方を知りたい方は下記の記事をご一読ください。

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