VRIO分析とは?事例と共に徹底解説

VRIO分析の手順
VRIO分析の構成要素を理解したところで、VRIO分析の具体的なやり方について紹介します。
ここでは、先ほど説明した4項目について、順に評価していきます。それぞれ、評価できる場合は「Yes」、評価できない場合は「No」と回答します。
「経済評価を有しているか?」からYes・Noで答えていく中で、Noが出た時点で分析を終え、評価を確定します。
これら一連の作業は、以下のような表で整理することでわかりやすくなるはずです。
4つの評価項目に対し全てがYesだった場合、競争優位の状態としては「持続的な競争優位」と導き出され、競争力が非常に強いことがわかります。
VRIO分析の具体例
最後に、VRIO分析の具体例を紹介します。
トヨタの事例
はじめに、トヨタを事例にVRIO分析を行います。
- 経済価値→「Yes」
自社の工場を保有しており、良質で高い価値の自動車を生産している。 - 希少性→「Yes」
ロボット共存型工場が成立しており、自社特有である。 - 模倣困難性→「YES」
「トヨタ生産方式」に代表される生産ノウハウ。 - 組織→「YES」
十分な組織化・仕組み化ができている。
全ての項目がYesであったため、「持続的な競争優位」の状態であると評価できます。
ADDressの事例
続いて、全国各地にある家に住めるサブスクリプション型サービス「ADDress」を事例にVRIO分析を行います。
- 経済価値→「Yes」
全国各地180カ所以上のユニークな空き家をオーナーから借りているほか、各物件の管理者(コミュニティマネージャー)として「家守」がついている。
昨今の空き家問題や多拠点生活のライフスタイルを機会として活かしている。
- 希少性→「Yes」
他社にはあまり見られない、全国のユニークな空き家活用を行っている。 - 模倣困難性→「No」
独自のノウハウや強力なアセットを有しているわけではないため、ビジネスモデルを模倣可能である。
経済価値・希少性はYesでしたが、模倣困難性はNoであったため、「一時的な競争優位」の状態であると評価できます。
まとめ
VRIO分析は、内部資源にフォーカスし、競争優位性を評価するフレームワークです。
新規事業開発においては、競争優位性のある戦略策定や、新市場への参入判断に役立てることができます。
競争優位性についての分析や検討を行う際には、本記事を参考にVRIO分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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